長島哲太(Honda HRC)/2025WorldSBK第1戦オーストラリア 2日目 2月21〜23日、2025年スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第1戦オーストラリアラウンドがフィリップ・アイランド・サーキットで開催された。スポット参戦した長島哲太(Honda HRC)はレース1で14位でポイントを獲得し、スーパーポールレースはリタイア、レース2は18位でフィニッシュという結果で終えた。
HRCのテストライダーも務める長島は今回、2024年の最終戦第12戦スペイン以来のWorldSBKへの参戦となった。また、過去には2022年の第12戦オーストラリアでも代役として参戦したことがあり、経験のあるサーキットだ。そんなサーキットで迎えた初日からホンダCBR1000RR-Rの最終調整を行いつつタイムアタックを遂行し、土曜日の朝には週末の中ではベストとなる1分30秒825をマークする。
続くスーパーポールでは、気温と路面温度ともに上昇したこともあり、タイムがやや伸び1分30秒989を記録し19番手を獲得してレース1に臨んだ。序盤から着実に順位を上げ、コンスタントに周回を重ねて5周目までにポイント圏内に浮上する。今大会で義務化されているピットインとタイヤ交換を11周目に済ませ、そのあとは最後まで14番手をキープしたままチェッカーを受けて2ポイントを獲得した。
長島は「暑いコンディションで厳しいレースでしたが、走るたびに今後の改善点が理解できました。今回の目的はミスなくレースをし、今後に向けてデータを収集することでした。日曜日はいくつか変更を加えて、自分の感覚とバイクのセットアップの両方を改善できるかどうか試してみます」と意気込みを語っていた。
2日目は、朝のウォームアップ走行では自己ベストを更新する1分30秒113を記録。その約2時間後にはスーパーポールレースが行われ、再び19番グリッドから挑んだ。長島は好調なスタートを切ったものの、4コーナーでギャレット・ガーロフ(Kawasaki WorldSBK Team)と接触し転倒を喫してしまう。
レースには復帰できたものの、8周目にはピットインを余儀なくされ最終的にはリタイアで終える結果となった。そんなスーパーポールレースを長島は「朝のウォームアップ走行はバイクのフィーリングも良く期待通りでしたが、残念ながらスーパーポールレースではクラッシュしてしまいました。これは僕のミスです。ガーロフ選手に謝罪します」とコメントしていた。
レース2でも好調なスタートを切るが、スーパーポールレース中におけるガーロフとの接触の際に発生したインシデントへの関与に対するペナルティとしてロングラップを消化することに。この時点で最後尾まで順位を落とした長島は、そのあとピットストップとタイヤ交換をこなして20番手でコースへ復帰。後半は周りの転倒があったこともあり、2つ順位を上げて18位でチェッカーを受けた。
長島は「今日はかなり厳しい日でした。レース2の序盤は土曜日と同じ不快感を感じて自信が持てず、プッシュすることができませんでした。タイヤを交換した後は良くなったと感じたので、データをさらに詳しく調べる必要があります。とはいえ、テストチームにとって、週末全体は良い経験でした。僕たちにはやるべきことがあるので、継続的な改善に向けて進み続けます」と振り返った。
ホンダは、オフシーズン中にホンダCBR1000RR-Rのセットアップ、エレクトロニクス、サスペンションを含むあらゆる面においてアップデートを実施して開幕戦に臨んだ。スポット参戦した長島は、今回2日間で明暗が分かれる結果となってしまったが、まだ改善の余地は十分にありそうだ。今回のデータを元にさらなる改善と開発進めていくという。