チームメンバーと会話するルイス・ハミルトン(フェラーリ) 2025年にフェラーリドライバーになったルイス・ハミルトンは、この5週間、マラネロ近くに仮住まいしていた。彼は、エンツォ・フェラーリが住んでいた家から目と鼻の先にあるフィオラノ・サーキットの入り口に、モーターホームを停めて、そこで生活していたのだ。これは、7度の世界チャンピオンのハミルトンがフェラーリの文化に浸り、早くチームに完全に馴染むための努力の一部だ。それと同時にハミルトンは、イタリアでの生活を最大限に楽しんだ。
■ハミルトン「最近、ピザを食べ過ぎている」
イタリアで暮らすことの特典のひとつは、本場のイタリア料理を楽しめることだ。2025年型マシン『SF-25』の発表会で、ハミルトンは、次のように明かした。
「正直に言うと、ピザをかなり食べている。でもどういうわけか体重は減った。先週は3枚食べたよ。イタリア料理は大好きなんだ。前から好きだった」
ハミルトンは、子ども時代に国際カートレースに出場していたころを振り返り、「ここに来たことを覚えている。ニコ(・ロズベルグ)とレースをしていたころ、毎晩ジェラートを食べに行った。ピザもよく食べたよ。昔からピザが一番好きなんだ」と語った。
イタリア料理について語り続けるハミルトンは、「ペンネ・アラビアータは昔からお気に入りの料理のひとつだ」と明かした。
「それから、今は食べていないけれど、前に大好きだったのは、最初のメカニックだったルカ・デル・ファンテが作ったラザニア。信じられないほどおいしかった。僕が13歳のころ、彼の奥さんのお母さんが最高においしいラザニアを作ってくれたことも忘れない」
イタリアで暮らしていると、小さなイタリアンレストランがたくさん目に入るが、その誘惑に負けないようにしなければならないとハミルトンは述べている。
「食生活には気をつけないといけない。大変だろうけど、注意しないとね。一年中ピザを食べ続けるわけにはいかない。(体重が増えて)マシンに収まらなくなってしまうから」
■イタリア語の習得に努力を惜しまないハミルトン
ハミルトンは、フェラーリのチームメンバーたちとうまくコミュニケーションを取るため、イタリア語の上達に努めている。
「もちろん頑張っている。僕は13歳のころに、イタリアでレースを始めた。1997年のことだ。イタリアのチームにいたから、言葉を学びたいと思った。メカニックと一緒に作業をしていた時、専門用語を覚えたいと思ったんだ。僕は(英語以外の)他の言語を話せるようになりたいといつも思っていた。でも常に英語圏の国にいて、必ずしも別の言語を話す必要がない場合、習得するのは少し難しいと思う。当時は(イタリア語を)学ぶのが好きだったけれど、習得しきれなかった」
ハミルトンは、チームに溶け込み、チームメンバーと理解し合うために、イタリアの文化についてできる限り学ぼうとしているという。
「溶け込んで、自分の可能性を最大限に発揮するために、努力を惜しまないつもりだということを、皆に知ってもらいたい。この経験を楽しんでいるよ。練習は難しいし、言葉を常に覚えておくのは本当に大変だ。(母国語とは)違う言語を学ぶのは簡単ではない。でも、少しずつ前進している。継続が鍵だと思っているんだ。だからこそ、このファクトリーにいる時間が好きなんだ。毎日、練習を重ねることができるからね」