豪州怪物級バンドの軌跡が映画化『バースデイ・パーティ/天国の暴動』4.25公開 製作総指揮はヴィム・ヴェンダース

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2025年02月25日 19:10  クランクイン!

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映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』キービジュアル (C)Beyond TNC Ltd and BMG Rights Management (UK) Ltd
 オーストラリアのシンガーソングライターで作家、脚本家、画家、俳優としても知られるニック・ケイヴが1970年代、人生で初めて組んだバンド、ボーイズ・ネクスト・ドア改めバースデイ・パーティの軌跡を追ったドキュメンタリー映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』が、シネマート新宿にて4月25日より公開されることが決定。併せて、バースデイ・パーティの象徴的なスカルマークを使用したシンプルかつ攻撃的で、バンドの壊滅的背景をも感じさせる日本版ビジュアルと、場面写真が解禁となった。

【写真】「音楽は、不快で邪悪なものだ」映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』場面写真

 1970年代前半に学校で知り合ったニック・ケイヴ、ミック・ハーヴェイ、フィル・カルヴァートによってオーストラリア・メルボルンにて結成されたバンド、ボーイズ・ネクスト・ドアを母体に、活動途中に突如バンド名を改名したポスト・パンク・バンド、バースデイ・パーティ(The Birthday Party)。商業性を無視、己の魂の純粋表現のみを目的に破滅的なライヴを繰り広げたバースデイ・パーティは地下世界にとどまらない影響を拡散するも、バンドは拠点をオーストラリアからイギリスのロンドン、そしてドイツのベルリンへと移し、1983年、自滅した。

 そのボーカルであるニック・ケイヴは現在のバンド、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして本年のグラミー賞では最新アルバムから2部門でノミネートされるなど、40年以上のキャリアを誇りつついまだ人気の衰えをしらないアーティストとなっている。

 本作は、メンバーのミック・ハーヴェイが音楽監修を務め、『ベルリン・天使の詩』(1987)にニック・ケイヴがニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして、そしてミック・ハーヴェイとローランド・S・ハワードがクライム&ザ・シティ・ソリューションのメンバーとして出演するなどバースデイ・パーティの面々の長年の友人である映画監督ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務めている。

 監督は、国連からドキュメンタリー作品の制作を依頼される社会派映像作家として知られ、以前はオーストラリアにてバットホール・サーファーズほか多くのミュージシャンのポスターやアートワークを手掛けてきたイアン・ホワイト。ホワイトはバースデイ・パーティ最初期のメルボルンでのライブを実際に目撃している。

 このドキュメンタリーは当初2000年代にギターのローランド・S・ハワードがスタートさせたプロジェクトだったが、2009年にハワードががんで他界、残されたメンバーとハワードの遺族からの依頼でプロジェクトを引き継いだホワイトが完成させた。それまで幾度もドキュメンタリー映画制作を打診され、そのすべてを断っていたバースデイ・パーティは、ハワードのプロジェクトを最も信頼できるホワイトに託した。

 本作ではボーイズ・ネクスト・ドア/バースデイ・パーティの6年間の軌跡をインタビューやライブ映像はもちろん、無政府主義的な精神性、音楽の限界のみを追求した破滅的ライフスタイルをメンバー自身の言葉でつづる。バンドの結成、メンバーの未公開プライベート映像、アニメーション・シーケンス、未公開ライブ映像、そしてロック史上最も伝説的なライブ・アクトのひとつをフィーチャー。この映画は、バースデイ・パーティについて初めて正式に作られた、バンド公認の映画作品となった。

 映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』は、4月25日よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開。
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