SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2025年スーパーフォーミュラ参戦体制発表会に参加した阪口晴南、立川祐路監督、大湯都史樹 2月22日、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGが山口県下松市のGRガレージ周南INGINGで2025年の参戦体制発表会を開催した。会場には多くのファンが集まるなか、登壇した監督とドライバーふたりが今季への抱負を語った。
今季もベルテクス・パートナーズをメインスポンサーに迎えるが、新たに三基商会がメインパートナーに加わり『SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING』として国内トップフォーミュラに臨むCERUMO・INGING。チームの本拠地でもある山口県で開催された今回の体制発表会は、監督を務める立川祐路、38号車の阪口晴南、39号車の大湯都史樹が参加し、ファンが見守るトークショー形式で進められた。
まず昨シーズンの振り返りでは、立川監督が「開幕戦でポールポジションを獲得するなど好スタートを切れましたが、その後はクラッシュや車体変更後のトラブルが続き、思うようなレースができず悔しい結果となりました」と阪口の印象を語る。
昨年TOYOTA GAZOO Racing陣営に電撃加入した大湯については「最初は彼のドライビングと車体とのマッチングで苦戦しましたが、中盤から徐々に本領を発揮し始めたと思います」と評価し「ふたりのパフォーマンスを最大限に引き出すには、まだ課題が残っています」と述べた。
迎える2025年のスーパーフォーミュラは、レース数の増加や、横浜ゴムがワンメイク供給するタイヤの再生可能原料・リサイクル原料比率がさらに高められた新スペックになるなどの変更点がある。
そのことについて阪口が「チームやメカニックの負担は増えてしまいますが、それだけ勝てる可能性も高まるのでチャンスだと捉えています」と語ると、大湯も「土日開催になれば、観客の方々にもより多くの走行を見てもらえる機会になると思います。チームとしては大変ですが、個人的には嬉しいです」と前向きに捉えている様子。
一方で立川監督は「レース数が12戦に増え、さらにレース終了後の車体整備時間にも制約が設けられるため、レースに向けた準備はより厳しくなります。また、ドライバーは2日連続でレースに臨むことになり、体力・精神的にもハードな戦いになることが予想されます」と慎重な姿勢をみせた。
タイヤのスペック変更については「シーズン序盤は各チームの戦略が分かれそうですが、徐々に最適なコンディションが整ってくると思うので、そういった意味では見どころの多いシーズンになると思います」と立川監督。
今季から新たに岡島慎太郎エンジニアとコンビを組む大湯は「岡島エンジニアとはスーパーGTでも組んでおり、すでに信頼関係があります。」とコメントしたうえで「タイヤ変更に加え、悪天候の影響で例年のように十分なテストができず、未知数な部分が多いです」と、直前の鈴鹿公式テスト2日目が雪の影響でキャンセルになったことを気に掛ける。
一方の阪口はテストについて「昨年と同じ車両セッティングでテストを開始し、タイヤの挙動の違いを確認しながら調整を進めました。すぐには順応できませんでしたが、方向性が見えたので軌道修正はできると思います」と手応えを感じているようだ。
そして、シーズン開幕に向けた意気込みを語る場面では、昨年の開幕戦で自身初ポールポジションを獲得した阪口が「スーパーフォーミュラ参戦は5年目のシーズンになりますが、まだ優勝を果たせていません。今年こそ初優勝を目指して全力で挑みます」と力強くコメント。
チーム2年目のシーズンを迎える大湯は「このチームは雰囲気が温かく、集中してレースに臨める環境です。今年はチーム優勝やポールポジション獲得など、しっかりと結果を残したいです」と述べた。
このドライバーふたりのコメントに対し、チームを率いる立川監督は「今シーズンも2台体制でチーム一丸となって、勝ちにこだわって挑んでいきたい」と語り、イベントの終盤にはガチャガチャで選ばれた質問に監督と選手が答えたり、サイン会なども行われ、ファンも楽しむことができる体制発表会は終了となった。
なお、今回のSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2025年参戦体制発表会の様子はYouTubeにアーカイブ配信(https://www.youtube.com/watch?v=nQVA8FCn1RY)が残されているので、現地に行くことができなかったファンはそちらで楽しんでほしい。