超低温下でのクラッシュが「教訓となった」オサリバン。F2経験者は学習曲線“急上昇”で開幕へ

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2025年02月25日 20:10  AUTOSPORT web

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2025スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト ザック・オサリバン(KONDO RACING)
 雪の影響により、2日目のセッションがキャンセルとなった2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権の鈴鹿公式テスト。各陣営とも開幕前の走行時間が限られたことへの影響が出ている中、特にルーキードライバーたちにとっては、開幕戦までの貴重な走行時間が充分に得られない形となった。

 それについては各ドライバーとも悲喜交々なようだが、昨年FIA F2で2勝した経験を持つザック・オサリバン(KONDO RACING)は、シーズン本番に備えてロングランのメニューもこなすなど、SFルーキーシーズンに向けて着々と準備を進めていた。

 テスト1日目も雪の影響で午前のセッション1の約半分はウエットコンディションとなり、最後は赤旗で終了。全車がニュータイヤで満足にアタックできないなど、通常のテストとは異なる状況であった。その中でスーパーフォーミュラの車両に乗るのが実質2日目(昨年末のルーキーテスト以来)となるオサリバンは、僚友の山下健太に対して0.047秒差に迫る1分38秒485をマーク。全体7番手のタイムを記録した。

 午後のセッション2では早くもロングランのテストを実施。中盤から10周以上連続で走り、安定して1分39秒台のタイムを刻んでいた。一度ピットに戻り、残り20分になってコースインしたが、NISSINブレーキヘアピンを立ち上がったところでコースオフを喫してクラッシュ。リヤウイングを破損し、この日の走行は終了となった。

 それでもオサリバンは「良い1日だった」と前向きに語る。

「またクルマに慣れることができたし、全体的にポジティブな1日だったと思う。ロングランもできてタイヤがどのように機能するのかを体験することができた。(スペックが変更されたため)みんなにとっても新しいタイヤなので、それを少し評価して、古いタイヤ(昨年までのスペック)と比べてどう反応するか見てみる必要がある」

 終盤のクラッシュについては「ちょうどロングランをしていたけど、(ピットアウトして)冷えたタイヤで走っていた。このクルマには強力なターボやアンチラグシステムが搭載されているから、そのコントロールについては本当に教訓となった」とオサリバン。

 FIA F2ではここまで寒いコンディションで走る機会は少ないようで「F2もタイヤウォーマーが使えないけど、僕たちはいつも30度くらいのコンディションで走っているからね」と、これもひとつの勉強と捉えている様子だった。

■開幕戦は「少しトリッキーな展開」と予想

 午後のセッションは10番手に終わったが、オサリバン自身が最後にタイムアタックを完遂できなかったほか、他のドライバーもトラフィック等の影響で満足なプッシュができなかったという声もある。本当の勢力図が見えないテストではあったが、オサリバンは「今日のペースはそれほど悪くなかった。経験豊富なドライバーと対等に戦えるようになるまで少し時間がかかる。僕は完璧なところまでは来ていないけど……でも、大丈夫かなと思う」と前向き。

「より多くの経験を積むためにロングランもできたのは良かった。毎回の走行でいろいろなことを覚えて上達していることを確信しているし、その学習曲線のカーブも急上昇していると思う」と、スーパーフォーミュラへの理解をより一層深められたようだ。

 とはいえ、ルーキードライバーにとっては少しでも多く走行時間が欲しいところ。2日目が雪でキャンセルになったことは想定外だったことは間違いない。

 このまま3月の開幕を迎えることになるが「開幕戦は少しトリッキーな展開になるだろう」とオサリバン。

「(2日目のテストがなくなったことは)僕たちにとって理想的なものではない。ポジティブな点は昨日(テスト1日目)のペースが大丈夫だったということ。最終的には10番手くらいだったと思うけど、僕は最後にニュータイヤを履けなかったから、その辺(本来のポジション)がどうなるのか……いずれにしてもまだやるべきことはたくさんあるし、ぶっつけ本番みたいな感じでスピードを求めていくことになるかもしれないけど、鈴鹿で迎える最初のレースが楽しみだ」と開幕戦に向けた意気込みを語った。

 クラッシュを喫する場面はあったものの、苦労している様子は感じられなかったオサリバン。FIA F2で2勝を飾った経験を持つドライバーが、果たしてスーパーフォーミュラでどんなレースを見せるのか。まずはデビューレースから目が離せない。

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