今年後期の連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK)に、俳優・岡部たかし(52)が出演すると発表された。岡部といえば、昨年度の『虎に翼』で伊藤沙莉の父親役を演じて話題になったことも記憶に新しい。『ばけばけ』では、朝ドラとしては異例の二度目の“ヒロインの父親”役に抜擢されている。
2022年放送のドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)のプロデューサー役で一躍注目を集めた岡部。今では、朝ドラをはじめ出演オファーが絶えない人気俳優となった。アラフィフにして花開いた岡部の役者人生だが、大成した裏には“4人の女性”の存在があったという。
1人目の女性は、岡部の地元・和歌山で出会ったという元妻だ。本誌が24年4月におこなったインタビューで、岡部は元妻への感謝を語っている。23歳のころから付き合い始めたという5歳年上の美容師の彼女は夢を追う岡部の背中をいつも押してくれていたという。
そして共に上京し、結婚すると、28歳のときに息子が誕生。だが、芝居に没頭するあまり家庭を顧みなかった岡部は離婚を切り出されてしまう。その後、元妻は息子を連れて地元へ帰り、交流は完全に途絶えてしまったそうだ。
家族が新しい局面を迎えたのは、東日本大震災後。息子を心配して掛けた電話に、初めて元妻が出たという。電話口で、「離婚をして、養育費を払わなくなる人が多いのに、ずっと払ってくれてありがとう」と感謝を伝えられた岡部。これに“誠意”の大切さを痛感したそうで、その後関係は改善。息子の父と母として良い関係を築けるようになったという。
|
|
2人目は、岡部が前述のインタビューで「助けられた」と明かした女優の故・深浦加奈子さん(享年48)。2008年に天国へと旅立った深浦さんと岡部は、演劇ユニット・城山羊の会で出会う。当時、芝居で“面白さ”を追求していた岡部は、自分が普通であることに悩み、深浦に相談。すると、次のような言葉を掛けられたという。
「普通をちゃんとやりなさい。とがっているだけじゃ駄目だし、作ってやるもんでもない。あなたのままをちゃんとしたら面白い。普通をちゃんとできる人って、あまりいないんだから」
“普通をちゃんとやる”というアドバイスで、当時ぶつかっていた壁を乗り越えたという岡部。深浦さんの“金言”は岡部の現在の自然体な演技にも繋がっているに違いない。
最後の2人は、意外だが芸人・阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子(52)と木村美穂(51)だ。実は3人は、1994年に「劇団東京乾電池」の研究所で知り合ったという旧知の仲。同じ劇団で1年間苦楽を共にして、「おかっち」「えりりん」「きむみほ」と呼び合う関係だという。
岡部が書いた台本を3人が同じチームで演じたこともあるそうで、下積み時代の大切な仲間として『ボクらの時代』(フジテレビ系)で共演したことも。岡部より先にブレイクを果たした阿佐ヶ谷姉妹には、共に切磋琢磨してきた“戦友”として励まされた部分はあるだろう。
|
|
『エルピス』でのブレイク後も、どんな仕事にも真摯に向き合い、地道に信頼を積み上げていった岡部。4人の女性に背中を押されて続けてきた“普通の努力”こそが、遅咲きの俳優を唯一無二の存在へと押し上げたのかもしれない。
動画・画像が表示されない場合はこちら
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。