WECでもレクサス陣営に加入したバーニコート。トヨタからのハイパーカー参戦目指す「素晴らしい場所」

サーキット近くのショッピングエリア、ルサイル・ブールバードで行われたWECの公式写真撮影に登場したアコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3

　2025年、WEC世界耐久選手権で78号車レクサスRC F GT3をドライブするベン・バーニコートは、同選手権で2年目を迎えるアコーディスASPチームが進化を果たすことを「大いに信じている」と語った。

　IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるレクサスのエースも務めるバーニコートは、トヨタ傘下のこのブランドにおけるダブル・プログラムに乗り出す。ケルビン・ファン・デル・リンデに代わるプロドライバーとして、LMGT3クラスに参戦するアコーディスASPに加わることとなったのだ。

　バーニコートはIMSAのGTDプロクラスで2023年にタイトルを獲得。その年の終わりにはトヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッドをWECのルーキーテストでドライブし、2024年は全日本スーパーフォーミュラ選手権にもスポット参戦した。また、2024年のル・マン24時間にはLMP2クラスのAFコルセから出場し、プロ／アマカテゴリーでの優勝も勝ち取っている。

　この英国人ドライバーは、IMSAでのバッサー・サリバンとの既存の契約にASPでのプログラムを追加したことは魅力的であり、ル・マン24時間レースにも出場できるため、チームが過ごした困難な2024年シーズンにも動じていないと語った。

「トヨタが僕に機会を与えてくれたとき、僕にとってそれは本当にやりたかったことだった」とバーニコート。

「レースがもっと増えるし、ル・マンも含まれるし、それは僕がいつも望んでいることだ。レクサスで走るわけだし、すべての条件を満たしている」

「確かに、（アコーディスASPにとって）昨年は少々厳しい年だったが、僕はチームを大いに信頼している。彼らは仕事がとてもできるので、今年は一歩前進できることを期待しているよ」

「ル・マンはこのクルマに本当に合うトラックなので、そこに行く前にしっかりした基盤ができ、全員がうまく作業し、すべてが順調に進んでいるところまで到達できればいいと思っている」

　ASPは先週カタールで行われた“プロローグ”テストで好成績を収め、87号車のホセ・マリア・ロペスが初日にトップに立ち、2日間の走行で2台ともにLMGT3クラスのトップ6にランクインしている。

「ポイント圏内で一年をスタートできれば最高だけど、シーズン後半の目標は間違いなく表彰台だ」とバーニコートは今年の目標について付け加える。

「昨年の成績を見るとそうは言い難いし、マシンはライバルよりも古いけど、このマシンで何ができるかはIMSAで分かっているし、僕はチームとクルーを信じているよ」

■「感銘を受けた」アコーディスASPのマシン

　バーニコートは、今シーズンチームにフルタイムで参加する前、昨年のバーレーンでのルーキーテストでASPチームに加わっていたが、ジェローム・ポリカン率いるこのチームが自分の介入なしにここまでのレベルにまで達していることに嬉しい驚きを感じたと語った。

「バーレーンでマシンに乗り込んだとき、彼らがいかに優れたチームであるかに驚いたと言わざるを得ない」と、チームを引っ張るつもりでいるかと尋ねられたバーニコート。

「外から見ると、彼らはマシンをよく理解していないように見えるかもしれないが、初めて運転したときは本当に感銘を受けた。マシンはウインドウに入っていたからね」

「できる限り最高のレベルで、僕らができることに集中したい。結果は自ずとついてくるはずだ」

　バーニコートは以前、2023年のルーキーテストでGR010ハイブリッドを初めてドライブしたが、いずれはトヨタのハイパーカーのシートにステップアップしたいという希望をその後明確にしており、今回WECに復帰することで目標に一歩近づくと認めている。

「僕はそれを明確にしてきたし、誰もが夢と希望を持つのは良いことだと思っている」と彼は言う。

「ここは素晴らしい場所だし、このチャンピオンシップについて学ぶこともできる」

「僕は2022年にプロジェクト1でシリーズに加わっていたが、いまはLMGT3プラットフォームという新しい時代になった。常に最高レベルにいたいと思っているし、この黄金時代にWECとIMSAに参加できることは信じられないほどの機会なので、これ以上望むことはない」

　トヨタGAZOOレーシング・ヨーロッパのテクニカルディレクター、デビッド・フルーリーは、IMSAプログラムとの兼ね合いで欠場するWECの2ラウンド、スパとサンパウロにおいては、エステバン・マッソンがバーニコートの代役を務める可能性が「非常に高い」と語っている。

　マッソンは昨年、ASPのふたりのシルバードライバーのうちのひとりとして活躍したが、今季はゴールドへとカテゴライゼーションが昇格、トヨタの支援を受けてヨーロピアン・ル・マン・シリーズと日本のスーパーフォーミュラ・ライツというふたつのプログラムに参戦する予定だ。

WECでもレクサス陣営に加入したバーニコート。トヨタからのハイパーカー参戦目指す「素晴らしい場所」

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