TOS開局55周年記念時代劇ドラマ「はぐれ鴉」に出演する(左から)椎名桔平、神尾楓珠、山本千尋(C)TOSテレビ大分 TOS開局55周年記念時代劇ドラマ「はぐれ鴉」がこのほど、クランクアップを迎えた。俳優の神尾楓珠、山本千尋、椎名桔平からコメントが到着した。
【集合カット】役衣装で登壇!山本千尋&森田甘路らと登場した神尾楓珠 1月10日から12日の大分ロケに続き、20日からは京都で撮影を実施した今作。28日には、主人公・山川才次郎(神尾)が、仇敵で叔父である玉田巧佐衛門(椎名)に自らの正体を明かし、なぜ残虐な事件を起こしたのか問い詰めるという緊迫感あるシーンの撮影現場をマスコミなどに公開した。
巧佐衛門の娘である英里(山本)や玉田家の家人・平兵衛(野添義弘)も出演し、数時間かけて撮影が行われ、2月12日にはキャストが出演する全シーンの撮影を終了し、クランクアップを迎えた。
神尾は「初めての時代劇ドラマなので、もしかしたら時代劇をたくさん見ていらっしゃる方はちょっと拙いと思われる部分もあるかと思うんですけど、僕なりに精いっぱい、竹田市の歴史からできたこの物語を演じているつもりではありますので、本当に多くの方に見ていただけたらという気持ちです」と呼びかけ。椎名は「巧佐衛門と才次郎の2人の関係を、寒風吹きすさぶ中うまく表現できたんじゃないかと思います」と自信をにじませ、山本は「クランクインの地でもありました大分ロケの期間がとてもすばらしかったと実感しています」とかみしめた。
原作は、第25回大藪春彦賞を受賞した赤神 諒氏の『はぐれ鴉』(集英社刊)。江戸時代の大分県・竹田市を舞台に繰り広げられる時代ミステリーとなる。寛文6年、豊後国・竹田藩で起きた城代一族郎党含めた二十六人殺しで生き残った主人公・山田次郎丸が、山川才次郎と名を変え、叔父・玉田巧佐衛門に復讐を挑む。そんな中、巧佐衛門の娘・英里に惹かれていく。同局では7月に放送するほか、全国各地でも放送を予定している。
【コメント全文】
――緊張感あふれるシーンの撮影でした。いかがでしたか。
神尾:(巧佐衛門への)憎しみだったりとかを緊迫感の中で表現しようと思っていたので、緊迫感のあるシーンになっていたらいいなと思います。
椎名:巧佐衛門と才次郎の2人の関係を、寒風吹きすさぶ中うまく表現できたんじゃないかと思います。
山本:台本を読ませていただいたときに、個人的には一番このシーンが難しい課題のシーンだなと思っていました。実はきょうが父上(椎名さん)と目を合わせてお芝居するのが初めてだったので、感慨深い1日になりました。
――神尾さん、大先輩の椎名さんとの共演はいかがですか。
神尾:椎名さんはオーラがあります。たたずまい、風格が面と向かうとさらに感じますが、それに飲まれないようにしようというのは常々思ってやらせていただいています。本当に優しくて、迷っていることがあったらアドバイスしてくださるので、それが僕はすごくありがたくて。本当に大先輩ですけど、良い方とご共演させていただけたなと思っています。
――椎名さんのアドバイスとは。
椎名:「飯食いに行こうか」とか(笑)。神尾くんは初の時代劇ドラマでしかも主演でハードルが高いというところは見受けられるので、山下智彦監督も京都で指折りの名監督ですから、そういうご指導のもと、京都の時代劇の専門のスタッフの皆さんに揉まれている神尾くんの姿が非常に愛おしくて。芝居として「もうちょっとこうした方がいいな」というところは、1つ2つくらいアクションのところでね。
神尾:ちょっとパニックになりかけたときとかに(アドバイスいただいた)。
椎名:まわりの皆さん、時代劇のプロの方々が細かく教えてくださる。僕も初めてタスキをパッと取ってね。「こういうタスキの取り方なんだな」とかね。僕も長くやっていますけど、毎回毎回勉強させていただいていますから、一緒に頑張っていきましょう。
神尾:はい!
――それぞれの役を演じる上で大事にしていることを教えてください。
神尾:過去の事件のことはずっと頭の片隅にないと才次郎という役は成り立たないと思うので、それは忘れないようにしようと思っています。巧佐衛門さんといるときの才次郎、英里殿といるときの才次郎、才次郎の雰囲気の違いを大事にしていきたいところです。
椎名:すごく難しい役です。赤神先生の原作を拝読してからずっと思っていることですし、やったことがないような役ではありますしね。だからこそ原作の巧佐衛門に近づきたいと思って、毎シーン(事件発生から)14年間の思いというものを考えながら挑むようにしています。巧佐衛門はとても魅力的な人物なので、気を抜かないように最後までやっていきたいと思います。
山本:デビュー作を太秦でさせていただきましたが、今作は演じたことがない役柄で、所作など初めてのことがかなり多かったです。ここにいる3人全員(の役)がそうだと思いますが、背負っているものが多いと感じていました。その中で英里という役は、(由美役の)財前さんもいらっしゃいますが、皆さんと一緒にいる数少ない女性だなと思っているので、明るくできるところは根っから明るい英里でいつつ、どこかはかなさも見えるような女性でありたいなと思いながら、毎シーン毎シーン臨ませていただいております。
――視聴者にメッセージを。
椎名:初めて家族旅行で飛行機に乗って連れて行ってもらったのが大分で、別府だったんですよね。そして映画で初めて映画祭に呼んでいただいたのが『湯布院映画祭』で、非常に(大分に)ご縁を感じています。今回、大分の皆さんにまず先にお届けできる中で、しっかりといい作品を作ってお届けしたいと思います。よろしくお願いいたします。
山本:クランクインの地でもありました大分ロケの期間がとてもすばらしかったと実感しています。すごく大切なシーンでもあり、そこで見た景色とか感覚みたいなものが、まさに撮影中に思い出されて生きているのを実感しているので、そういった撮影背景も含めて見ていただけるといいなと思っています。
神尾:初めての時代劇ドラマなので、もしかしたら時代劇をたくさん見ていらっしゃる方はちょっと拙いと思われる部分もあるかと思うんですけど、僕なりに精いっぱい、竹田市の歴史からできたこの物語を演じているつもりではありますので、本当に多くの方に見ていただけたらという気持ちです。