2025年F1プレシーズンテスト2日目 FIA会見 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)&ランド・ノリス(マクラーレン) レッドブルがF1の頂点の座から転落した2024年シーズンを終えた後、マックス・フェルスタッペンは2025年型マシン『RB21』について安堵のため息をつき、少々楽観的になっているかもしれない。
フェルスタッペンと彼のチームにとって、昨シーズンはふたつに分かれたシーズンだった。序盤のレースは勝利の連続で、フェルスタッペンは最初の10戦で7回の優勝を果たした。しかしシーズン中盤の不振により、RB20は突如として予測不可能で不安定になり、暴風雨のなかで綱渡りをする人のようにバランスが取れない状態になってしまった。
その結果、第11戦以降のフェルスタッペンの勝利はわずか2回で、コンストラクターズランキングでレッドブルはマクラーレンとフェラーリに次ぐ3位となり、ミルトンキーンズでは頭を悩ませることになった。
それでも、フェルスタッペンは4年連続でドライバーズタイトルを獲得し、マシンが水準に達していないときでも彼にガッツがある証を見せた。今、彼はRB21で新たなスタートを切っていると感じている。
■「昨年より悪くなるはずはない」
バーレーンでのプレシーズンテスト2日目、フェルスタッペンはメディアに対し、新しいマシンに対する率直な評価を語った。
「昨年より悪くなるはずはない」
「だから、僕たちが取り組んでいる方向性は正しいと思う。ただそれに従って、どれだけパフォーマンスを引き出せるか確認する必要がある」
「今の時点では、まだ初期の段階だ。多くの点について今も議論が行われていて、改善したいと考えている。でも、昨日は楽しめたし、昨年とはすでに大きな違いがあった」
昨年、“楽しさ”はレッドブルのガレージの流行語ではなかったが、ステアリングを握って楽しい1日を過ごすことは、それ自体が勝利のラップのように感じられる。フェルスタッペンは、RB21はあらゆる面でより優れていると語り、ハンドリング、バランス、スピードの改善について、漠然としながらも期待が持てていることを示した。
ただし、ハードルがそもそも高すぎたというわけではない。昨年のマシンはサラブレッドというよりは、頑固なラバのようなものだった。それでも4度の世界チャンピオンは、まだシャンパンを開けるつもりはない。テストは単なる予告だ。ひとつには、バーレーンのターマックが滑らかだということがある。本当の意味のテストは、オーストラリアのメルボルンで行われることになる。
「チームは昨年から多くのことを学んだと思う。僕たちはそれらの問題を解決しようとした。これからは(バーレーンとは)まったく異なるコースであるオーストラリアで、マシンがどのようなパフォーマンスを発揮するか見なければならない」
■改善策に残されたフェルスタッペンの特徴
それでは、レッドブルの新しいマシンにはフェルスタッペンの要素がどれくらいあるのだろうか?
「マシンによっては、それほど大きな影響を必要としない」とフェルスタッペンは説明した。
「僕とチームは、昨年のある時点で何かが起こっていると感じていた」
「もちろん、対処しなければならない問題がいくつかあり、そのためにかなり多くのことが変えられた。だから僕は、自分が必要としているものについてフィードバックを返す。マシンはもっと速くなる必要があるし、僕たちはそれを実現しようとしている」
バーレーンの雰囲気は慎重ながらも明るいものだ。フェルスタッペンは、まだタイトル候補だとは語っていない。しかし、どのレースも不具合だらけのコクピットとの格闘のように感じられた昨年よりも、ステアリングを握るのが明らかに楽しいようだ。RB21がこの“よい方向”を継続できれば、レッドブルはトップに返り咲くかもしれない。
今のところ、マックスは自分自身に正直になっている。2024年よりもよく、楽しいし、はるかにましだということだ。オーストラリアで結果が明らかになるだろうが、それまでフェルスタッペンは前向きな気持で前進し、マシンもようやく素晴らしい走りをするだろう。