ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第1戦タイGP 初日 2月28日、2025年MotoGP第1戦タイGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは8番手でQ2ダイレクト進出を決め、アレックス・リンスは17番手となった。
2024年は日本メーカーのホンダ同様にコンセッション(優遇措置)が適応されたが、ヤマハは表彰台もなく未勝利に終わり未だ苦境が続いている。再び2021年以来となる王座奪還を目指し、今季もコンセッションを駆使して挑む。また、今年は3年ぶりにサテライトチームが復活しプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPが仲間入りし、2チーム4台で体制を強化して再起を図ることになる。
そんなヤマハ陣営はオフシーズン中は公式テストに加え、プライベートテストも実施し、クアルタラロがトップ3入りするなど好調な様子も見せていた。ヤマハYZR-M1の戦闘力向上も期待されるなかで挑んだ開幕戦では、エースのクルタラロが引き続き好調さを発揮。フリー走行1回目のセッション中に2セットの新品タイヤを使用し、終盤に1分29秒765をマークしてトップとはわずか0.342秒差の3番手で終えた。
続く午後のプラクティスに自信を持って挑んだ彼は、中盤頃まで1分30秒台を突破できずにいたが、最後の15分間でタイムアタックを遂行。終盤には1分29秒485と自己ベストを更新し、一時3番手へと浮上する。しかし終盤でライバルたちも次々に好タイムを記録し、最終的にトップと0.465秒差の8番手で終え、ダイレクトQ2進出を手にした。
一方のリンスはFP1の序盤に1分30秒696をマークすると、中盤に自己ベストを0.119秒更新。3度目の走行でフロントを新品のソフトタイヤに履き替えると、最後のアタックで1分30秒341まで縮めることに成功した。トップ10入りこそ果たせなかったものの、意欲を示していたリンスだったが、午後のプラクティスは不運に見舞われることに。
セッションが始まると、フロントとリヤともに新品タイヤを履いて走行するが、トラクション不足が原因かなかなかタイム短縮が叶わない状況だった。終盤にはクアルタラロと同様に終盤にタイムアタックを遂行すると、1分29秒798をマークしたがイエローフラッグの影響によりキャンセルとなってしまう。
それでも諦めずに連続でアタックに取り掛かると、1分29秒982を記録したが、このラップでも少々ミスがあったようで、17番手に留まりQ2進出は叶わなかった。しかしながら、リンスはポジティブな様子で、土曜日の予選ではQ2への進出を狙う。
クアルタラロも語るように、トップ10に入りダイレクトでの予選Q2進出は難しい状況とのことだったが、それを実現。また、ヤマハとしてはプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのジャック・ミラーは14番手、ミゲール・オリベイラは18番手でプラクティスを終えている。トップとは1秒以内につけているため、マシンのパフォーマンス自体は決して悪くはなさそうだ。
土曜日の予選ではリンス、ミラー、オリベイラの3名もクアルタラロに続いてQ2進出を決めることができるだろうか。そしてスプリントでは集団の中でも戦闘力を発揮し、どれだけ上位に喰らいついていけるかに注目したい。
■ファビオ・クアルタラロ(FP1:3番手、プラクティス:8番手)
「目標は達成できたと思う。おおよそ、このくらいのポジションにいるだろうと予測していたんだ。金曜日の時点でトップ10に入り、Q2進出を決めるのはとても難しいということはよくわかっていたけれど、今日はそれを実現したんだ。その意味で今日のプラクティスには満足していいと思う」
「昨年はここで予選6番手を獲得したけれど、あのときはQ1からの復活だった。今年はすでにQ2には入っているから、明日に向けて大きな後押しになる。ステップ・バイ・ステップで改善していきたいと考えているよ。明日は予選で2列目獲得を目指し、スプリントでトップ9争いができればいいなと思っているよ」
■アレックス・リンス(FP1:15番手、プラクティス:17番手)
「以前の状態を考えれば、今日はとてもいい仕事ができたと思う。しかしながら順位には表れていない。1分29秒7が出たけれど、そのときはイエローフラッグが振られていたし、最終ラップでは第10〜11コーナーではらんで遅れてしまったんだ。そんな状況のなかでは、1分29秒9も悪くない記録だと思うよ」
「午前中から楽な展開ではなく、リヤグリップのトラクション不足に悩まされたんだ。ミディアム・コンパウンドのタイヤに履き替えると0.7秒速くなったから、今それについて、データを分析中だ。明日に向けて作業を続けていくよ」