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【写真】加賀まりこが大家さん、宮沢氷魚が、訳あり“料理番”に
本作は、水凪トリによる同名漫画を実写化。
主人公は麦巻さとこ、週4のパートで質素に暮らす38歳、独身。「一生付き合わなくてはならない」病気にかかったことから生活が一変。会社を辞め、新しい住まい探しを余儀なくされる。見つけたのは築45年の団地。隣に住む大家の美山鈴と、訳あり“料理番”の司を通じて、さとこは食事で体調を整える薬膳と出会う―。
やがて、自分なりの楽しみ方を見つけ、“できない自分”を受け入れていく。そこから見えてきた、新たな人生の選択肢。団地で暮らす人々は年齢も事情もそれぞれで個性豊か。時にさとこの生活に介入してくる。地味だけど体においしそうな薬膳料理と、たおやかな団地や職場の人間関係を通して心身を取り戻していくさとこは、身近にあった自分次第のしあわせに気づいていく。
桜井ユキが演じる麦巻さとこは、一生つきあう病気である膠原(こうげん)病にかかり、会社を退職。週4日のパートでギリギリの生活を送ることに。日常生活は一応送れるものの、無理をすると体が悲鳴をあげる。マンションの更新を諦め、家賃5万円の団地暮らしを始める。お隣に大家さんが住んでいるのでちゅうちょしたが、決め手は謎の居候、司の作ったスープと薬膳料理だった。前の職場で受けたストレスやキズなどいろいろあるが、少しずつ少しずつ、季節の移ろいの中で、変化が訪れる。
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加賀まりこが演じるのは、さとこの借りた部屋の大家で、お隣に住む美山鈴。ずっとこの団地に暮らしてきた90歳。ちょっぴりおせっかいで、どちらかというと天真らんまん。息子という触れ込みだった司と出会い、おせっかいを焼いた縁で同居を始めてから、長年のある夢がかない、人生を楽しんでいる。鈴さんのペースに巻き込まれるさとこだが、知らないうちに包み込まれていた。
加賀は「団地で暮らす鈴さんは豊かな人だ。世間体に囚われず、誰に対しても優しい。80代を生きている私にとって、彼女の考え方、行動力、ひとつひとつがうらやましい。お金なんかなくても、家族と一緒じゃなくても、鈴さんは愚痴らない。むしろ専業主婦だった頃より、生き生きと年齢の壁を越えて、たくましい。生きたいように生きると、世間は厚かましい人間と白い目で見るが、鈴さんの厚かましさは、チャーミングで賢い。演じていて、こんなに気持ちを高揚させてくれる役は初めてです。鈴さんに怒られないよう、厚かましく、可愛く、画面の中で存在したいと思います」とコメント。
宮沢氷魚が演じるのは、鈴さんの同居人・羽白司。あまり自身のことを語らず謎が多い。家賃代わりに家事をこなし、身の回りを気遣う。親切で、団地のお年寄りには何かと頼りにされ、いつもお返しの品に囲まれている。今仕事はしていない。旬の食材を取り入れた薬膳料理が得意だが、ゆるやかにその効能を楽しむ。人間関係にも深入りせず適度な距離を保とうとするのだが、さとことは、互いに影響を与えあうようになっていくが…。
宮沢は「原作を初めて拝読した時から、この作品のほのぼのした世界観の虜になりました。日々生活をする中で、仕事や人間関係などのストレスや刺激物に身体と心が直面します。なかなか自分を労る時間を取れないのが現代の実情だと感じています。そんな中、この作品を通して『薬膳』で得られる健康について学ぶことができます。誰でも毎日の食事で気軽に実践できるので、楽しみながら『薬膳』に興味を持って頂ければ幸いです」とコメント。
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ドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』は、NHK総合にて4月1日より毎週火曜22時放送(全9話)。