写真 島根県隠岐の島に生まれ、ジュノン・ボーイとして芸能界デビューをしてから、テレビ出演やアパレルブランドのディレクターとして活躍してきた井手上漠さん。
小学校4年生の頃から美容に目覚め、2023年にハリウッド国際メイクアップアーティスト検定1級を取得し、2024年にはテレビ朝日の土曜ナイトドラマ「顔に泥を塗る」でメイク監修も務めています。
専門的な知識をもちつつ常に自然体で自分らしい発信を追求してきた井手上さんが自身初となる美容本『自信がつく美容、美容でつく自信』を2025年2月に発売。愛用コスメやメンズメイク、橋本環奈さんとの対談など、初公開づくしの本が、話題となっています。
今回は、はじめての美容本への想いや、タイトルになった「自信がつく美容」について伺います。
◆美容は自信につながるもの
――「自信がつく美容、美容でつく自信」というタイトルに、漠さんが込められた意味を聞かせてください。
井手上漠さん(以下、井手上):私は、自信と美容は相互関係にあると思っています。この本では、アイテムやメイクのテクニックだけではなく、美容を通じて自信を持つことの重要性をタイトルから伝えたかったです。
本の中には、スキンケアやボディメイク、そしてマインドとの向き合い方、全てを詰め込んでいます。私の美容にとって、それらは全部が必要なものです。
美容の力で自信をもつことができれば、人生のさまざまな場面でポジティブな影響を与えることができると思っています。
私が美容に興味を持ち始めたのは小学4年生の頃からで、何度も美容に救われてきましたが、15〜16歳で芸能界に入るとなったとき、美容関係の職業といえば美容師くらいしか知らなくて。芸能活動をしながら美容のお仕事ができるとは思っていませんでした。
でもいつかは自分の大好きなことを仕事にしたいと思っていたし、美容本を出したいという気持ちもずっとありました。
男性に生まれた私がこのように活動していると、「奇妙だ」「井手上漠は女性になりたい人なんだ」と言われることも多かったです。だからこそ、美容を極めて、希少な美をもつ存在だ! と誰からも思っていただけるようになれば、自分に自信をもてるかなと考えました。
国際メイクアップアーティスト検定1級を取ったのは、美容を発信していく上で、独学の情報だけではなくしっかりとした知識をつけたかったからですが、資格を取る過程で身につけたスキルは私の自信にもつながっています。
資格を取得したことで、自分の美容に対する夢を実現したいという気持ちも一層強くなったので、今回の美容本はベストタイミングでした。
◆アイテムから言葉選びまでこだわり抜いた
――ご自身が提案するメイクがいくつも載っていて、見応えのある内容の書籍ですが、撮影や執筆など、作る過程で大変だったことは何ですか?
井手上:書籍では普段しているメイクの他に、全く印象が異なるアレンジメイクを2つ、さらにメンズメイクも掲載していて、全てのアイテム決めからプロセスまでを提案しています。
本を作る過程は全体的に大変でしたが、振り返ってみると楽しかった気持ちの方が大きいです。ずっと前からの夢でしたし、自分の美容に対する情熱をシェアできることに大きな喜びを感じています。
紹介しているコスメ、スキンケアなどのアイテムは、全部自分で試して本当によかった! と感じたものばかりです。愛用アイテムはこれまでSNSでもあまり公開してこなかったので、今回の本を通じてより多くの情報をシェアできることが楽しみです。
――今回は美容本ではありますが、漠さんの考えが伝わるような文章がたくさん載っています。その言葉選びにもすごくこだわられたんですね。
井手上:美容本を出版することが決まって、最初に思ったのは言葉選びにもこだわりたいということでした。
私は読書が大好きで、これまでたくさんの本を読んで、そこに書かれている言葉に救われてきました。
本は私にたくさんのことを教えてくれましたし、落ち込んだときに自分と向き合うヒントをたくさんくれる大切な存在。
だからこそ、自分の本も読んでくれた方にとってそんな存在になれたらいいなと願って、見出しの一つ一つから、メイクプロセスの伝え方までこだわって言葉を選びました。そういったところにも注目して読んでもらいたいです。
◆男性っぽさも女性っぽさも併せ持つ私の “アンドロジナス顔”
――漠さんは、ご自身のことをジェンダーレスでもノンバイナリーでもなく“アンドロジナス”と表現されていますよね。
井手上:アンドロジナスは、男女両方の魅力を併せ持つ考え方やスタイルのことを指すのですが、どんなジェンダーの人でもアンドロジナスになりうると思っています。
今回、普段しているメイクを公開させていただいてるんですけど、そのテーマも“アンドロジナス”な顔です。
それは男性的パーツと女性的パーツが上手に混ざった顔。例えば眉毛は男性らしくて太めだけど、唇は厚みとツヤがあって女性的でセクシーとか。
そのバランスは人それぞれですが、だからこそその人の個性になるし、メイクでそのバランスを変える楽しさも知ってもらいたいなと思います。
◆今辿り着いた美容の最適解を込めた一冊
――改めて『自信がつく美容、美容でつく自信』が完成した感想を教えてください。
井手上:完成した本を改めて手に取ってみて、「表紙の写真をこれにしてよかった!」と思いました。
写真を選んだ時点ではまだタイトルが決まっていなかったので、どんな表情がいいかすごく迷いました。
でも自然体に微笑んでいるこの笑顔がタイトルと相まって、自信がついている表情に見えるので、私がお伝えしたかった内容の表紙にすごく合っていると思いました。表紙から、自分の想いを形にできたことが本当に嬉しいです。
――表紙はどんなイメージで撮影されたんですか?
井手上:表紙は圧倒的『美人』にしたいと思っていました。美女ではなく、美人です。
私は性別としては男性ですが、自分が美しいと思うものを追求してきました。
私が考える、「人としての美しさ」の、現時点での最適解を表現したかった。井手上漠としての、今の自然体な姿を残せたと思います。
自然体であればあるほど、自分の成長がそのまま映ります。10代の頃に出した書籍とは顔つきが違って、新しい自分を知れたし、そんな自分を多くの人に見てほしいと思っています。
衣装協力/JICHOI(MATT.Tokyo)
<構成/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa