「アニメの世界に入り込んだみたい」日本を訪れたタイのアイドルが憧れた“タイでは絶対に体験できないこと”とは?

0

2025年03月01日 09:11  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

日本のカフェはお洒落でメニューが多いのにも驚いたとか
インバウンド需要に沸いている日本。観光地はもちろん、大きな都市ではどこに行っても外国人の姿が目に入ってきますが、日本に住み、インフレ&物価高の影響を大きく受けている日本人からすると「日本の何がそんなに良いのか?」と疑問に思ってしまいますよね。
そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれません。

今、タイでは“日本風アイドルグループ”が人気を呼んでいます。日本のアイドルグループ風の曲や衣装などで、日本語も含めた歌を歌います。その中のひとつである「SUMOMO」というグループに所属するナムファーさん(27歳)は、プライベートと仕事(ライブ)を合わせ、これまで8回日本に来ています。彼女の見た日本の驚くべき点とは……。

◆なんとタイの駅には時刻表がない!

ナムファーさんがまず驚いたのは電車が便利なこと。

「タイの首都バンコクにも電車や地下鉄があるのですが、街のすべてを網羅しているわけではありません。でも東京だと、どこでも電車で行けますよね。そのうえ、時刻表があるじゃないですか? タイでは始発と終発の時間しか駅に書いてないので。それと日本の電車は遅延がほとんどないのは世界的にも有名ですよね」

ただ、困ったこともあるとか。

「どこでも行けるのは良いのですが、路線が複雑で乗り換えが少し大変。あと新宿駅とかすごく広くて出口もたくさんあるので、迷子になりました(笑)」

そしてICカードの汎用性もタイでは体験できないことなのだそう。

「バンコクにも電車のICカードがあります。でも地上の電車用のものは地下鉄など他の乗り物では使えなかったりで、それぞれの交通機関ごとのカードが必要なんです。使用可能なショップやレストランもありますが、日本のSUICAやPASMOみたいにどこでも使えるわけではありません。外国人でもICカード1枚あれば支払いが済みますから本当に楽で便利です」

◆SNS映えスポットがいっぱい。いちばんは…

アイドルとしてうれしいことが日本にはいくつもあるとナムファーさんは言います。

まず、SNS投稿のネタに欠かないこと。日本に来るたび、ナムファーさんは撮った写真を自分のSNSにアップ。ファンからの反応がいつもより大きいそうです。

「いいね!やコメントの数がすごく増えますね。日本は本当にキレイだったりユニークな場所ばかりなので、SNS用の写真を撮りまくっています」

彼女の投稿の中でちょっと変わった写真を発見しました。

「ある家電量販店まで買い物に行った時、展示してあるカメラが私をモニターに映し出していたので、面白いなあと思って撮ったんです。通る人の視線を感じて少し恥ずかしかったです(笑)」

そしてナムファーさんの日本でのオススメ写真スポットは意外にも……。

「空です、すごく青くて澄み渡っているんですよ! 日本の空をスマホで撮ると4Kテレビのような美しさですが、バンコクの空を撮ると、どんよりしていて全然きれいじゃないんです。日本の空の写真を見せると、みんなびっくりしますよ」

◆日本にはライブハウスがあってうらやましい!

また日本では各地にライブハウスがたくさんあることも、アイドルとしてはうらやましい限りだそう。

「タイではレストランやバーなど、生ライブがある場所はたくさんあるのですが、お客さんにとってメインは食事なので、あくまで後ろで流れているBGMなんです。だから私たちは基本、イベント会場とかモールなどでライブを行っています。ライブハウスみたいな“音楽を聴くためだけの場所”がある日本がうらやましいですね」

そういった日本のライブハウスでライブを行ってみて、日本の観客たちの対応に感動したと言います。

「私たちのグループを知らない人たちばかりの場合が多いのに、それでもしっかりと丁寧に聴いてくれているんです。曲の間に掛け声で名前を呼んでいただいたりもします。ライブ後のチェキ記念撮影でも、私のカタコトの日本語を理解しようとがんばってくれたり。本当に日本の方々は暖かいです!」

◆季節ごとにお洒落が楽しめる「タイは暑い季節だけなので」

ナムファーさんは日本に来ると必ず渋谷109と原宿の竹下通りに行きます。目的は“地雷系ファッション”の洋服を探すこと。

「初めて日本に来た時、たまたま地雷系ファッションのお店を見つけて、そこからハマってしまいました。日本ならではのクールでカワイイ点が気に入りました」

また日本の人がうらやましいと思うのは「四季があって、季節ごとにいろいろなファッションが楽しめること」だとナムファーさんは言います。

「タイは基本的に暑い季節だけですから、いつも薄手の服しか着れません。でも、日本だと冬はコートを羽織ったり、季節に合わせた服を着れますよね!」

四季のある国に生まれた日本人にとって、アウターが必要な冬は面倒な季節ですが、暑いタイで育った人たちにとっては「コートを着ること」や「重ね着をすること」が楽しみなんですね。

「そういえば、浅草に行った時に“YUKATA”(浴衣)をレンタルしたんです。漫画やアニメのお祭りのシーンで浴衣姿の女の子がよく出てきますよね。カワイイな〜と思っていたので、実際に自分で着れて本当に嬉しかったです。アニメの世界に入り込んだみたいでした」

飛行機代など日本に行くにはお金がかかりますが、「早くまた日本へ行きたい!」とナムファーさんは、その日を心待ちにしています。

<取材・文/梅本昌男(海外書き人クラブ/タイ在住ライター)>

【梅本昌男(海外書き人クラブ)】
バンコク在住のフリーライター。タイを含めた東南アジア各国で取材、JAL機内誌スカイワードやアゴラなどに執筆。観光からビジネス、エンタテインメントまで幅広く網羅する。NHKラジオなどへの出演も行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

    ニュース設定