モリゾウ監修。育成を主眼に“2台共闘”で上位も窺う【SF全チーム情報2025/KDDI TGMGP TGR-DC】

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2025年03月01日 10:40  AUTOSPORT web

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2025スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト 平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)
 3月7〜9日に、三重県の鈴鹿サーキットで開幕を迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権の2025シーズン。昨年、タイトルを獲得した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)がカーナンバー『1』を付け連覇に挑む年となるが、注目の海外ドライバーやルーキー、新チームもひしめく、見どころの多いシーズンとなりそうだ。

 2025年は一部レースフォーマットも変更され、1ウイーク2レースのイベントも増加。また、タイヤのスペックが変更されるなか、2月に行われた公式テストは雪のため日程短縮と、どの陣営も充分に走り込めていない状況で開幕からいきなりの土日連戦を迎えるため、その勢力図も気になるところ。

 ここでは公式テスト前日の『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言を中心に、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。

 今回は新体制でのエントリーで注目を集めるKDDI TGMGP TGR-DCだ。

■KDDI TGMGP TGR-DC 2025年スーパーフォーミュラ参戦体制
・ドライバー:小高一斗(No.28)/平良響(No.29)
・企画・監修:MORIZO(ROOKIE Racingオーナー)
・チーム代表兼監督:片岡龍也
・チーフエンジニア:上城直也(No.28)/平野亮(No.29)
・リザーブドライバー:野中誠太
・エンジン:トヨタ/TRD 01F

■ホンダからトヨタへエンジンを換装

 冒頭の挨拶で片岡龍也監督は「なかなか長い名前なので覚えてもらうことが大変かなと思いますが(苦笑)」と前置きをしたうえ、「新規チームであり育成をメインとしたチームを今シーズンから立ち上げることができました。1年を通してチーム・ドライバーともに、みんなで成長できるようなシーズンにしていきたいなと思っております」とチームのバックグラウンドと今季の抱負を語った。

 レーシングドライバーとして活躍する一方、TGR-DCレーシングスクールの校長も務める片岡監督。昨シーズンもスーパーフォーミュラ・ライツやスーパーフォーミュラに参戦するTGR-DCドライバーをサポートするべく、毎戦のように現場を訪れていた。その中で、今回のプロジェクト発足の話が進んでいったという。

「『育成選手をトップカテゴリーでさらにしっかり伸ばしたい』ということを昨年モリゾウさん(豊田章男トヨタ自動車会長)に相談しました。いろいろと多分考えてくださって、さまざまな調整のなか、モリゾウさん監修ということで、このチームを作っていただくことができました」と片岡監督。

“育成”という言葉が前面に出がちだが「ただレースに参戦する以上、育成チームだからといって優勝を狙わないわけではないので、優勝を勝ち取るために知恵を絞って、みんなで力を合わせていくことが一番の成長に繋がるとは思っています」と語る。

 このチームで今季参戦するドライバーは、TGR-DCメンバーである小高一斗と平良響。このうち小高はフル参戦3年目。昨年まで在籍したKONDO RACINGからチームを移籍する形となる。

「自分の経験の中にあるデータもそうですし、チームの皆さんが持っているデータや、今回走るデータなどをしっかり合わせて、ひとつひとつ準備していきたいです。新しいチームだからというわけじゃないですけど、しっかりふたりで良いところ・悪いところ、セットアップも含めて共有しつつ、2台で速く走ることができれば、チームとして強くなれるのではないかなと思います」と小高。

「スーパーフォーミュラで2台ともが前(上位)を走っているチームというのはあまり多くないので、まずはそこをふたりで目指して、最低でもシングル(9位以内)で終えられるようなチームなったら良いなと思います」と、新体制チームではあるものの、しっかりと目標を定めていた。

 29号車の平良は、昨シーズンのITOCHU ENEX TEAM IMPULからのスポット参戦を経て、念願のレギュラーデビューとなる。ただ昨年4戦出走しているため、今季はルーキー・オブ・ザ・イヤー対象外となっている。

「昨年は3大会出させてもらったのですが、その経験を活かすことが大事になってきます」と平良。

「このオフシーズンの間に去年の振り返りもしましたし、このチームが今までどういうプロセスでセットアップしてきたのかとか……新しいチームなのでいろんなことを聞いて、それらを踏まえてこのテストに臨み、開幕まで1カ月ぐらいしかないですけど、その間でしっかりクルマや走り方を振り返ることが大事かなと思います」と、開幕に向けたプランを語っていた。

 気になるチームの中身だがエンジニア・メカニックは昨年までホンダエンジンを搭載して戦っていたTGM Grand Prixのメンバーが主体となっており、車両も昨年まで同チームが使っていたものをトヨタエンジンに換装して今シーズンに挑む。28号車は上城直也エンジニア、29号車は平野亮エンジニアが担当。その他、星学文エンジニアの姿もピット内にあった。

 ふたりのトラックエンジニアとも、昨年までとは異なりトヨタエンジンを搭載した車両で仕事をすることに加え、担当するドライバーとも初仕事となる。「しっかりコミュニケーションをとって結果を出せるように頑張っていきたいと思います」とコメントしていた。

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