総合6位となったマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組7号車トヨタGR010ハイブリッド 2025年WEC第1戦カタール トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は2月28日、カタールで行われたWEC世界耐久選手権の開幕戦『カタール1812km』に2台のトヨタGR010ハイブリッドで臨み、総合5位と同6位でレースを終えた。
今季2025年も引き続きシリーズ最高峰のハイパーカークラスに参戦し、マニュファクチャラーズタイトルの防衛とドライバーズタイトルの奪還、そして6月のル・マン24時間での勝利を目指すトヨタチーム。中東のルサイル・インターナショナル・サーキットでの実施となった開幕戦では粘り強い追い上げを見せ、7号車と8号車が揃ってポイントを持ち帰ることに成功している。
10時間におよんだ長丁場のレースは、現地金曜日の14時にスタートが切られた。小林可夢偉、ニック・デ・フリースと7号車を共有するマイク・コンウェイは7番手から、ブレンドン・ハートレーと平川亮とともに8号車をシェアするブエミは17番グリッドからレースを開始すると、両者ともすぐに挽回を開始し、序盤の3時間が経過する頃には2台揃ってトップ6まで浮上する。
その後コース上で複数のアクシデントが起き、立て続けにセーフティカー(SC)が導入されるなかトヨタ勢は着実に順位を上げていき、日が沈む頃にはブエミからハートレーにつないだ8号車が表彰台圏内の3番手に。またコンウェイから可夢偉に交代した7号車も4番手に続いた。
途中で順位を入れ替えた2台はその後も3番手と4番手を走行するも、レースが後半戦に移るとみたび導入のSCによって上位の差が詰まる。これにより、それぞれデ・フリースと平川にドライバー交代していたトヨタ勢は、トラブル等での遅れから復帰してきたライバル勢の追い上げを受けることとなった。
残り2時間。7号車は可夢偉、8号車はブエミへとドライバーチェンジ。タイヤ選択とピット戦略の違いから上位陣の順位が目まぐるしく変わるなか、2台のGR010ハイブリッドはトップ6圏内での戦いを続ける。8号車は最後のピットストップで7号車をかわし5番手に浮上すると、そのままの順位でフィニッシュ。7号車も総合6位でチェッカーを受けた。TGRの2台で合計33ポイントを獲得して開幕戦を終えている。
次戦の第2戦イモラ6時間は4月20日開催予定だ。昨年トヨタは、このイタリア・ラウンドで天候とコンディションの変化を読み抜き、劇的な逆転勝利を果たしている。
■「毎周予選ラップのよう」「最大限の成果を引き出せた」/TGRドライバーの決勝後コメント
●小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車ドライバー)
「ワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成したフェラーリを祝福します。我々は全力を尽くしましたが、これが最良の結果でした」
「チームは素晴らしい仕事をしてくれました。もちろん、我々のクルマがパフォーマンス面でやや及ばなかったというのはありますが、それでも決勝ではペナルティを受けることも、また、大きなミスもなく最後まで走り抜きました。我々はベストを尽くし、今できる最大限の成果を引き出すことができました」
「残念ながら、優勝争いはできなかったので、今日のこの経験から学び、次戦ではもっと良いレースが戦えるよう努力していく必要があります」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「正直なところ、この大会で5位と6位でフィニッシュできたというのは予想以上かもしれない。もちろん、レースではいつもさらに上位を目指しているが、トップを争える状況ではなかったことを考えれば、シーズン開幕戦でまずまずのポイントを獲得できたと思う」
「僕自身としては、(レース序盤にスピンを喫し)あまりうまくいかなかった一日で、少し残念だし、次戦イモラへ向けて改善すべき点もいくつかあった」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「すべてを考慮し、総合的に見ればチームにとって悪くない結果だったと思う。今週は苦戦が続いていたので、決勝前から難しい闘いになることはわかっていたが、レースを通して我々のクルマは少しずつ良くなっていた」
「僕らはトラブルを回避し、良いポジションで戦うことができたと思う。たしかに、もっと上位でフィニッシュしたかったけど、レース前の想定を思えば今日はまずまずの結果だ」
●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)
「実際のところ、今日の結果はチームの素晴らしい努力の賜物だ。ミスなく、ペナルティを受けることもなく、とても良い戦略で戦うことができた。5位と6位以上の結果は望めなかったと思うし、チーム全員が本当に頑張ってくれた結果で、とても満足している」
「我々はすべてのレースで上位を争うことが目標です。今回はそれを果たすことができなかったが、今のクルマから最大限の結果を引き出せたし、次戦はもっと強くなれるよう頑張りたい」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「本当にうまくレースを戦うことができ、とても楽しめた。僕の2度目のスティントでは、毎周予選ラップのように走ることができた。2台揃ってトップ6フィニッシュを果たせたというのは、公式練習初日でのペースから考えると、大きな達成感がある」
「たとえ表彰台に上ることができなくとも、チームの尽力を誇りに思うよ。もちろん、ライバル勢と争うペースがなかったのは残念だけど、イモラでは上位争いができることを期待している」
●平川亮(8号車ドライバー)
「我々にとっては難しいレースウイークでしたが、今日の結果には満足しています。とても厳しいレースになることが分かっていたなかで、最善は尽くせたと思います。チームを本当に誇りに思います」
「僕たちはミスなく、ペナルティも受けず、ピットストップもうまくいき完璧にレースを戦いました。すべてがスムーズで、そういう意味ではこれ以上ないレースだったと思います。次のレースへ向けて、さらに上を目指して努力を続けます」