フェラーリの懸命な取り組みが歴史的な1-2-3に貢献。終盤には「愚かな結末」を回避する指示

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2025年03月01日 19:00  AUTOSPORT web

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表彰台を独占したフェラーリのドライバーたち。優勝は50号車、2位83号車、3位は51号車となった。 2025年WEC第1戦カタール
 フェラーリAFコルセの50号車499Pをドライブし2月28日に行われたWEC世界耐久選手権の開幕戦で勝利した、アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンは、イタリアのメーカーによる冬の間の取り組みが、金曜日に達成された「歴史的な」表彰台独占に貢献したと口を揃えた。

 フェラーリ・ワークスドライバーのひとりであるフォコは、2025年シーズン第1戦『カタール1812km』でフェラーリ499Pによるワン・ツー・スリーフィニッシュをリードし、彼を含む50号車のクルーに昨季2024年のル・マン24時間レース以来となるWECハイパーカーでの勝利をもたらした。

 このイタリア人ドライバーは、ルサイル・インターナショナル・サーキットでの10時間レースのフィニッシュまで左側のタイヤを3スティント保たせた後、先行を許していたロバート・クビサの83号車フェラーリを最後のピットストップで逆転した。

「左側のタイヤを交換しないかたちでのトリプルスティントはかなり大変だったが、うまくやれたと思う」とフォコは語った。「それは同門の83号車に対してポジションを上げる唯一の方法だったが、本当にうまく機能した」

「彼らは、後ろからかなり速く迫ってきた。今日の仕事は簡単ではなかったね」

「タイヤをマネジメントするのは非常に大変だった。しかしうまく機能し、チームのために1位、2位、3位を確保できたのは歴史的な結果だったと思う」

「残りのシーズンもこの勢いを維持するつもりで、次の一戦(母国ラウンドのイモラ6時間)に臨みたい」

 フォコは2024年シーズン中に何度かメカニカルトラブルに見舞われた後、主に車両の信頼性を向上させることに重点を置いたオフシーズンの跳ね馬の作業を評価した。

「チームが冬の間に行ったすべての作業に感謝したい」と彼は述べた。「彼らは本当に素晴らしい仕事をしたと思う。おかげで、僕たちは本当に良い準備ができた状態でここに来ることができた」

「オフの間に進めた取り組みが、かなりうまくいっていることを示せたと思うよ」

 チームメイトのモリーナは次のように付け加えた。「僕たちは非常に良い準備をしてここに来た。冬は厳しくマラネロのすべての人々にとって、そしてドライバーである僕たちにとっても、テストとシミュレーターの連続で忙しくしていた」

「最後に、僕たちには目標がある。このようなスタートを切ることでカタールでの最初のレースは、シーズンの初めからチャンピオンシップで優位に立つための最良のオープニングとなった」

 予選3番手とった50号車のスタートドライバーを務めたニールセンは、レース開始早々に51号車に次ぐ2番手に浮上し、その後姉妹車が受けた一連のペナルティを利用してレースをコントロールした。

「それは、その後のレースの組み立ての領域において非常に重要だった」とニールセンは語った。「レースのスタートがタイヤマネジメントにとって重要になることは分かっていた」

「スピードで(圧倒的に)優位に立たない限り、ルサイルでは他のクルマを追い抜くのはほぼ不可能だ」

「僕たちはレース戦略をうまく管理した。レースが進むにつれてVSC(バーチャル・セーフティカー)など多くのことが起こったけど、今日はうまく実行できたと思うし、勝利に値する働きだったと思う」

■速さを示すも“自滅”した51号車

 優勝した50号車フェラーリは、ドリス・ファントール駆る15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)との接触によりスピンを喫し、レースの折り返しを前に一時順位を落とした。一方、ポールポジションスタートから前半戦の大半を支配していた51号車はレース前半から中盤にかけて受けた4つのペナルティから立ち直って3位表彰台を得た。

 1回目のペナルティはVSCの手順違反によるドライブスルー、2回目はピットレーンスピード違反による同じくドライブスルー。度目はシェルドン・ファン・デル・リンデのBMWとの衝突で5秒加算、最後はコース外からのオーバーテイクしたことで受け取った10秒加算ペナルティでで締めくくられた。

 アレッサンドロ・ピエール・グイディは、終盤にクビサがドライブする黄色いフェラーリにプレッシャーをかけたが、最終的には3位という結果に落ち着ついた。

 レース後、彼は「マニュファクチャラーズ選手権でチームとして獲得できるポイントを最大限にした」と語った。「僕たちにとって、今日はもっともクリーンなレースではなかったし、レースの途中では表彰台に上がることは想像できなかった」

 AFコルセのチームマネージャーであるバッティ・プレグリアスコは、フェラーリが残り10分で3台のクルマのポジションを固定したことをレース後に明かした。

「最終的に、メーカーとしての透明性を確保した」と彼は説明した。「レース終了の10分前までオープンにしておくという賢明なマネジメントだったと思う。その後は、誰も望んでいない“愚かなこと”を避けるために、状況を凍結させることに決めた」

「(全体的には)非常にオープンだったと言える。51号車がリードしていたものの、その後いくつかのミスや違反を犯した。そして83号車もレースをリードした。10時間のレースはとても長い。その中ではさまざまな可能性があった」

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