イソギンチャクとの共生なぜ?=クマノミのメカニズム解明―沖縄科技大

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2025年03月03日 14:02  時事通信社

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時事通信社

クマノミ類のカクレクマノミ=2016年7月、沖縄・石垣島
 沖縄科学技術大学院大の研究チームは3日までに、クマノミ類がイソギンチャクの毒針に刺されないのは、体表の粘液中にある「シアル酸」と呼ばれる成分が極めて少ないためだとする研究結果を発表した。両者は共生関係にあることで知られているが、メカニズムは長年解明されていなかった。論文は生物医学系国際学術誌「BMCバイオロジー」電子版に掲載された。

 ディズニー映画「ファインディング・ニモ」で有名となったクマノミは、イソギンチャクの間を自由に泳ぎ回ることで外敵から隠れる。イソギンチャクの外敵も追い払う役割も果たしており、共生関係が成立している。

 同大によると、シアル酸はほとんどの生物に存在する成分で、これまでの研究でイソギンチャクにある毒針を発射させる効果があることが分かっている。研究チームは、糖や遺伝子を研究する際の手法を組み合わせ、クマノミ類と、イソギンチャクとの共生関係にないスズメダイ類の粘液を分析した。

 その結果、クマノミ類の体表の粘液内にあるシアル酸は、スズメダイ類と比べて約10分の1の量だった。幼魚の時だけイソギンチャクと共生するミツボシクロスズメダイの粘液も調べたところ、幼魚のころのシアル酸の量はクマノミ類と同じように少なかった。

 また、イソギンチャクが粘液中にシアル酸を持たないことも判明した。研究チームは自らを刺さないようにするためだと推測している。

 同大のヴィンセント・ラウデット教授は「研究結果はクマノミとイソギンチャクの複雑な共生関係の一部にすぎない」と指摘。「他には魚のうろこの厚さやイソギンチャク自体の調整などが考えられる」と述べた。 
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