参院選公認、政倫審弁明を考慮＝旧安倍派幹部招致、石破首相「党と相談」―予算委

　石破茂首相（自民党総裁）は３日の衆院予算委員会で、同党派閥の裏金事件に関与した参院議員に対する今夏の参院選での公認について、昨秋の衆院選の時と同様に政治倫理審査会で弁明に応じたかどうかなどを考慮して決める考えを示した。立憲民主党の黒岩宇洋氏の質問に対し、「基本的に同じ考えが踏襲される」と答えた。

　衆院選に際して首相は、政倫審の弁明の他に(1)「党員資格停止」以上の重い処分を受けた(2)地元の理解が進んでいない―場合に非公認とする基準を設けた。「党員資格停止」以上の処分を受けた現職参院議員はおらず、旧安倍派議員の弁明も近く全て終わる見通しのため、大半が公認されるとの見方が強い。

　黒岩氏は、関係議員は非公認とすべきだと主張したが、首相は「わが党の責任の下に判断する」と述べた。

　日本維新の会の三木圭恵氏は政治資金パーティー収入裏金化の意思決定過程が不透明だとして、旧安倍派幹部の参考人招致を求めた。首相は「党と相談する」と答弁。「真相解明に後ろ向きであると国民に判断されることは、わが党のためにも日本の政治のためにもならない」と語った。

　三木氏は派の当時の会計責任者（元事務局長）が幹部の代わりに有罪判決を受けたと強調。首相は「そういう推測は成り立つ」と応じた。その上で「どの派閥も事務局長がそんな権限を持っているはずはない。誰かの指示か、雰囲気で決まったのか分からないが、解明が必要だ」と述べた。

　自民、公明、維新が合意した社会保険料の引き下げに関し、首相は「医療と福祉の水準は下げてはならない」と指摘。同時に「（医薬品制度には）非効率な部分がある。既得権もないとは思わない」との認識を示し、３党の協議体でその点を議論するよう求めた。維新の金村龍那氏への答弁。

　国民民主党の古川元久代表代行は、所得税が課される年収の最低ライン「１０３万円の壁」見直しなどに関する与党との協議が不調に終わったことに関し、首相の責任を問うた。首相は「これからも議論は続ける」と理解を求めた。