『R-1グランプリ2025』ファイナリスト、田津原理音(C)カンテレ 3月8日に開催される“ピン芸日本一決定戦”『R-1グランプリ2025』決勝戦(カンテレ・フジテレビ系、後6:30〜生中継)に出場する、田津原理音のインタビューが到着した。
【動画】さや香・新山、R-1決勝進出で突然の“相方愛アピール”…「もう無理やで」 田津原は『R-1グランプリ2023』の王者で、なだぎ武(2007年・08年大会王者)に続き、“2度目の優勝”を狙う。
――決勝戦進出が決まった瞬間を振り返ってみていかがですか?
もちろんうれしかったんですけど、めちゃくちゃ泣いちゃったんですよ。それが“うれし涙”ではなくて。今井らいぱちさんやkento fukayaさん、真輝志やソマオ・ミートボール…大阪の“よしもと漫才劇場”からずっと一緒にやってきたピン芸人たちが、1人も決勝に行けなかったんですよ。みんなの準決勝のネタを見ていて、僕自身も好きなネタやったし絶対に行けると思ったのに。この人たちと一緒に行けないって分かった瞬間、寂しくて悲しくて涙が出てきました。夏の高校球児の、最後のベンチメンバー発表の瞬間みたいな。“こいつらと甲子園行きたかったな”って。だから、勝手にですけど、僕は“よしもとピン芸人を背負って優勝するぞ”という気持ちになっています。
――大阪の“よしもと漫才劇場”メンバーの絆(きずな)を感じます。
去年初めて決勝に進んだ真輝志とは、“今年は絶対一緒に決勝行きたいな”って何回も話していて。kentoさんは3回も決勝に行っているのに、まだ一度もR-1で直接対決したことがなく、“今年こそ”と話していて。もし、決勝のファイナルステージで、僕と真輝志とkento fukayaさんの3人で戦うことになったら、“一生ユニットライブしような”って。“「2025」っていう名前のユニットライブしような”って約束していたので、余計にこみ上げるものがありました。
――田津原さん自身は、決勝に進む自信はありましたか?
前に優勝したときと一緒で、“これでダメならもうダメだ”と思えるところまでネタを持ってこられた自信があったので、悔いがなかったんですよ。“余裕で行ったったわ”ではなく、“覚悟が決まっていた”というか。だから、自分の結果にはそんなに驚かず、“あとはやるだけ”という感じでした。
――R-1王者としての挑戦となります。今年エントリーを決めた理由は?
僕は“漫才師”に憧れてお笑いを始めました。養成所のNSC(吉本総合芸能学院)に入って、漫才師でやっていくためにコンビも組みましたが、4回解散して。そんなフワフワしているときに出たR-1の予選で、ルシファー吉岡さん、マツモトクラブさん、三浦マイルドさん、おいでやす小田さん…おじさんピン芸人のネタを初めてちゃんと見て、めちゃくちゃウケているのを目の当たりにして、“めちゃくちゃかっこいい!”って思ったんですよ。“俺はこの大会で勝ちたい“、”この人たちと戦いたい”と思って、ピン芸人になることを決めました。
僕が優勝したのは芸歴制限があった年なので、(芸歴制限が)撤廃された今、その憧れの人たちと戦えるなら、出るしかないでしょ!それがエントリーを決めた一番の理由ですね。
――優勝された2023年大会とは、全く違う顔ぶれとなっています。今大会のファイナリスト9人を見ていかがですか?
すごく“R-1”って感じですね(笑)。吉住とも“戦わないと”と思っていたのでよかったです。あと僕、友田オレ(23歳)に、勝手に年齢近いと思われていたらしくて。この間、8歳差と分かったときに“すごいがっかりしました”って言われて…いや、知らんがなっていう(笑)。勝手に逆恨みされたという恨みがあります(笑)。
でもやっぱり、この人たちと戦えるというのがワクワクしますね!僕が憧れた人たちなので、視聴者の皆さんに僕が一番見てほしい人たちでもあるんですよ。“面白いから見て!”という方々がそろっているので、そういう面でもすごく楽しみです。
――決勝進出者発表会見でも、田津原さんが“R-1は楽しい”とおっしゃっていたのが印象的でした。
もう楽しい、ほんまに楽しい以外ない!“出てよかったな”ってめっちゃ思います。
他の賞レースと違って、R-1って全員違うジャンルなんですよ。僕だったらフリップやモニター、優勝したときはカードを使って。他のファイナリストの皆さんも、1人コント、漫談、モノマネ…全員違うものを極めています。その全てのジャンルの“1位”が集まったのが“決勝戦”なんですよ。いわば、グランドスラムですね。他に漫才やコントの1位を決める賞レースはありますが、R-1はフリップの1位を決める大会でも、漫談の1位を決める大会でも、モノマネの1位を決める大会でもない。全てのピン芸の1位を決める大会なんです。だから、面白くない人が出ているわけがない。ファイナリスト9人を見て改めてそう思うので、ぜひ注目して見てほしいです。こんなすごい大会、楽しいに決まっているじゃない!
あと、ピン芸人って、ピン芸めっちゃ好きなんですよ。他人のピンネタ見るのがめっちゃ楽しい。それがなぜかと言ったら、自分じゃできないことをやっているから。僕がルシファーさんのネタをやれって言われても、勝てないと分かっている。逆にルシファーさんも、僕のネタを作れと言われてもたぶんできない。各々の道を極めている人たちだから、ライバルっていうイメージではないんですよね。“自分にはできないことをやっている人の大会”という感じで、尊敬のまなざしでしかないんですよ。他の人のピンネタを見て、面白くないと思うことはまずないです。全員が“誰にも負けないところ”を持っている。そんな人たちが一堂に会する大会なので、出場してネタをするのも楽しいし、もちろん見るのも楽しい。だからほんまに“楽しい”でしかないんですよね。
――そんな中で、田津原さんが思うご自身のアピールポイントはどこですか?
日常を切り取る“着眼点”。そこに自信があるのと、それを表現するための見た目、パフォーマンス能力があることが武器だと思います。僕は良くも悪くも“プレーン”で、どこにでもいる見た目なので、見ている方もネタに入り込みやすいと思います。僕がやっていることを、仮にチャンス大城さんがやっても合わないと思うので(笑)。
――優勝したら、なだぎ武さんに続く、R-1“2冠”となります。
僕、どことなくなだぎさんと顔も似ていますよね(笑)?なので、優勝できたらそっくりそのまま当時のなだぎさんを再現したいと思います(笑)。17年ぶり…長らく2回優勝する人は出ていないので、狙っていきたいです。
――最後に、田津原理音さんにとって『R-1グランプリ』とは?
【原点】です。僕がピンネタをするきっかけになった大会で、出場することによってそのことを思い出させてくれます。R-1がなかったら、たぶん僕、芸人やってないので。R-1のために芸人人生をささげていると言っても過言ではない。本当に、“原点”です。
■ファイナリスト顔ぶれ
ヒロ・オクムラ、チャンス大城、田津原理音、ハギノリザードマン、ルシファー吉岡、吉住、さや香 新山、友田オレ、マツモトクラブ(※決勝戦ネタ順)
■ルール
決勝戦のネタ尺は4分。ファイナリスト9人が争うファーストステージは、審査員による得点審査。ファーストステージの上位3人が進むファイナルステージは、審査員による決選投票。その結果で、優勝者が決定する。
■MC
霜降り明星(せいや・粗品)、広瀬アリス
■審査員
陣内智則、バカリズム、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウ、ほか2人
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