「被害者踏みにじる冷酷さ」=3.11目前の無罪判断に―告訴団長が涙・東電強制起訴

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2025年03月06日 19:31  時事通信社

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原発事故を巡る最高裁決定を受け、記者会見で涙をこらえる福島原発告訴団の武藤類子団長=6日午後、東京都千代田区
 「まるで納得していない」。原発事故で強制起訴された東京電力元副社長2人を無罪とした最高裁決定を受け、福島原発告訴団団長の武藤類子さん(71)は6日、時折涙を浮かべながら記者会見した。「最高裁の誇りと正義にいちるの望みを懸けたが、3月11日の目前にこのような判断を出されたのは被害者を踏みにじる冷酷さを感じる」と憤った。

 代理人の海渡雄一弁護士は決定理由に触れ、「対策を講じるには津波の現実的可能性がなければならないというのは信じ難い」と指摘。「これでは次の原発事故は絶対に避けられない」と批判した。

 一方、裁判の過程では津波対策に関する東電内部の議論の経過が明らかになった。海渡弁護士は「事故の真相を議論する上でかけがえのない証拠になった」と意義を強調。武藤さんも「東電が何ひとつ対策をしなかったことを社会に広めていきたい」と語った。 

原発事故を巡る最高裁決定を受け、記者会見する福島原発告訴団の武藤類子団長(左)と代理人の海渡雄一弁護士(右)ら=6日午後、東京都千代田区
原発事故を巡る最高裁決定を受け、記者会見する福島原発告訴団の武藤類子団長(左)と代理人の海渡雄一弁護士(右)ら=6日午後、東京都千代田区

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