記者会見をする鈴木馨祐法相=7日午前、法務省 政府は7日、民事訴訟の全判決を収録したデータベース(DB)を創設するための法案を閣議決定した。横断的・統計的な判決分析を可能にし、紛争の予防・解決につなげるのが狙いだ。今国会中の成立を目指しており、2027年夏までに運用を始めたい考えだ。
全国の裁判所では年間約20万件の民事判決が言い渡されるが、民間DBなどで公開される判決は1割に満たない。民事裁判の手続きを全面的にデジタル化する改正民事訴訟法の26年の施行を見据え、DBを整備することにした。
DBは法相が指定する非営利の法人が運営。デジタル化した判決書を最高裁から取得し、匿名化などの加工を施した上で、研究者や法律家に有償で提供する。プライバシー侵害などの苦情が寄せられた場合は法人が対応を検討する。
鈴木馨祐法相は7日の記者会見で「さまざまな活用の可能性が指摘されており、成果を用いた高度な法的サービスの提供が期待される」と述べた。