鈴鹿最速は譲らない。野尻智紀、意地の連続ポールで最多記録を更新【第2戦予選レポート】

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2025年03月09日 12:00  AUTOSPORT web

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通算21度目のポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)/2025スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦鈴鹿
 3月9日(日)、2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催。予選は前日のチームメイトバトルを再現するかのようにTEAM MUGENの2台がライバル勢を突き放し、野尻智紀がトップタイムを刻んでポールポジションを獲得した。2番手は岩佐歩夢、3番手に太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入り、第1戦予選と全く同じ顔ぶれのトップ3となった。
 前日と比べると日差しが降り注いでいる鈴鹿サーキット。さらに予選開始時刻が第1戦よりも25分遅い10時15分ということもあってか、気温は11度、路面温度は18度と比較的高い値を示していた。

■第1戦と風向きが変化。タイム変化の大きいQ1に

まず始まったQ1A組のセッションでは、最初に出た坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下健太(KONDO RACING)はホームストレートを通過。牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)はアウト・インで戻ってくる。一方、岩佐、平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)の3台はチェックランを行わず残り時間が7分を切ったところでコースインしていった。
 その後山下、坪井、福住を除く8台は先にコースへと戻り、この3台は残り5分でコースインしていく。
 そして岩佐を先頭に各車のアタックがスタートし、まずはセクター1、2と最速タイムを塗り替えて1分37秒311を記録し暫定トップに立つ。セクター3で岩佐を上回った坪井が1分37秒367で2番手に、阪口が3番手に続くが、第1戦ではQ1ノックアウトとなった山下が阪口を上回って3番手を奪取、さらに福住が山下から3番手を奪っていく。ここでセクター3の最速タイムを奪った牧野が1分37秒236を記録し、岩佐を上回りトップに。この時点でノックアウトラインぎりぎりの6番手に残っていたのはフラガだったが、終盤にアタックした小出が3番手に入ったことでノックアウトとなった。
 結果、Q1A組は牧野、岩佐、小出、坪井、福住、山下がQ2進出。フラガ、阪口、平良、三宅、高星の5名がここで予選終了となった。
 続くQ1のB組は、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM'S)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名が出走した。
 このセッションでまずピットアウトしていったのはフェネストラズ、オサリバン、太田、小林、Juju、野中、小高、佐藤の8名。大嶋、野尻、大湯の3名はピット待機を選択した。フェネストラズ、オサリバン、太田、佐藤は連続周回し、6分を切ったところでピットへ。全車がコースへと戻ったのは残り時間が5分を切ったところだった。
 残り時間が2分を切り、小高からアタックに入っていく。まずは1分37秒752でターゲットタイムを記録するが、すぐオサリバンが37秒559で逆転。そしてセクター1だけで他より0.3秒速いタイムをたたき出し、セクター2まで全体ベストタイムを記録した野尻が1分36秒633でオサリバンを大きく突き放してトップに躍り出た。さらに1分37秒260をマークした大嶋が2番手に上がり、大湯が1分37秒407で3番手に。前日の予選では2コーナーでコースアウトしまさかの最後尾グリッドとなったフェネストラズは1分37秒492でオサリバンを上回り暫定5番手につける。最後に太田が1分36秒907で3番手に入ったことで、オサリバンは7番手にドロップ。2戦連続のQ2進出は叶わなかった。
 こうして野尻、佐藤、太田、大嶋、大湯、フェネストラズの6名がQ1を突破。オサリバン、小林、小高、野中、Jujuの5名がノックアウトとなった。

野尻智紀が最多ポールポジション記録を樹立

 Q2は10時50分にセッション開始。残り2分を切ってコントロールラインを通過した小出からアタックに入り、自身のQ1アタックよりも速いタイムで1分37秒585をマークし暫定トップに立つが、野尻がQ1同様、セクター1から大きく他を突き放していく。岩佐はセクター2では野尻をわずかに上回るも、セクター3で再び野尻が差を広げ、1分36秒060で小出を越えてトップに躍り出た。続く岩佐はセクター4で最速タイムをマークしタイムを削るが、1分36秒170で0.1秒野尻に届かず、暫定2番手に。
 ここからは各車が続々とチェッカーを受け、佐藤が1分36秒462で岩佐に続いていたところに、坪井が1分36秒410で佐藤を上回り3番手に割り込む。最後に牧野が1分36秒442で坪井と佐藤の間に割って入ると、太田が1分36秒209で3番手に上がりセッション終了となった。
 野尻はこれで通算21回目のポールポジション獲得となり、前日に並んだ本山哲(現San-Ei Gen with B-Max監督)を上回って歴代最多のポールポジション獲得ドライバーとなった。2番手に岩佐、3番手に太田と、終わってみれば第1戦と全く同じ顔ぶれのトップ3となった第2戦の予選。ただ、そのなかでも4番手には坪井が入り、トップ4をホンダ勢に独占された第1戦予選と比べるとトヨタ勢として一矢報いたかたちだ。以下、牧野、佐藤というトップ6になった。
 前日の第1戦より4周長い、31周で争われる第2戦決勝レースは、このあと14時40分にスタートの予定となっている。

[オートスポーツweb 2025年03月09日]
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