小芝風花、横浜流星との名シーンのアドリブ明かす 花嫁道中ラストは「蔦重の目が見られなかった」【「べらぼう」インタビュー後編】

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2025年03月09日 20:49  モデルプレス

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横浜流星、小芝風花「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(C)NHK
【モデルプレス=2025/03/09】俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK総合テレビ、毎週日曜午後8時〜/BS・BSP4K、毎週日曜午後6時〜/BSP4K、毎週日曜午後0時15分〜)の第10回が9日に放送された。吉原の“伝説の花魁”である花の井/五代目瀬川を演じる小芝風花(こしば・ふうか/27)が、モデルプレスらの合同インタビューに応じた。後編では横浜や市原隼人と共演した感想から横浜演じる主人公・蔦重との悲恋が描かれた第9回・10回の撮影エピソードを聞いた。【後編】

【写真】大河「べらぼう」小芝風花、横浜流星の手をとり…

◆大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

本作は“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)が主人公。森下佳子氏の脚本で、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマを描く。

花の井<五代目瀬川>は、吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する花魁。幼いころに親に売られ、蔦重と共に吉原で育った幼なじみで、何でも話せる良き相談相手。蔦重を助け、時に助けられながら、共に育った吉原の再興に尽力。幼い頃から蔦重に想いを寄せ、蔦重の力になりたい一心で伝説の花魁の名跡“瀬川”を継いだ。

第9回では瀬川が盲目の大富豪・鳥山検校(市原)から身請けを申し込まれる。やっと気持ちを自覚した蔦重とともに一度は足抜けを画策するが、吉原の厳しい現実の前に自らの運命を受け入れ、第10回で検校に嫁いで吉原を去った。

◆小芝風花、横浜流星&市原隼人の印象は

― 横浜さん、市原さんとの共演の感想を教えてください。

小芝:流星くんは事前に考えて現場に持ってくるというよりはその場の空気感やその場で起こっているものを瞬発的に出す方なのかなという印象です。1人で作り込むというよりはそのとき感じたことを大事にされて、監督とも話し合って監督の意見にも柔軟に応えられている印象でした。

市原さんはすごく情熱的で、事前に盲学校に行かれてお話を聞かれて所作やちょっとした手や体の動きをすごく研究されてこだわって役に向き合っていらっしゃる方なんだなと思いました。

◆小芝風花「べらぼう」横浜流星との名シーンでアドリブ

― 瀬川になってから感情の揺れが大きい出来事ばかりとは思いますが、ご自身でも心が動かされたシーンはどこですか?

小芝:第9回の身請けが決まって稲荷神社で蔦重に引き止められるシーンはすごく大事なシーンでした。瀬川は普段オフのときは砕けた話し方をしているんですけど、そのシーンの最初は「鳥山さんは素敵な方でござんすよ」と廓言葉になっていたので、きっと本心を隠しながら会話をしていて、蔦重に「ヒルみたいな連中だぞ」と言われて「あんただって私に吸い付くヒルでしょ」と言い返すところは、この仕事がどれだけ大変かどれだけ今まで耐えてきたかを初めてぶつける場面だったので大事に演じたいと思いました。その後に「俺が幸せにしたい」とまさか蔦重の口からそんな言葉が出るなんて思ってもなかったから驚きがあって、でもそこで甘いムードにはならないところが2人の関係性っぽくて好きでしたね。

蔦重の胸ぐらを掴んで「心変わりしないだろうね」と言ったときの動きは台本に書いていたわけじゃなくて、監督に「ここ胸ぐらを掴んでも良いですか?」と聞いたんです。お互い想いが通じ合ってもすぐにそういう感じにはならず男同士の喧嘩みたいな幼馴染感があるのが今までの関係性的に良いかなと思って、そうやって監督と話し合ってアイデアを出し合ったりして丁寧に作ったシーンだったのですごく印象に残っています。実際の撮影ではそのシーンが瀬川としてのクランクアップだったので男前な終わり方だったけど、数少ない幸せな想いが報われたシーンでアップできたことが嬉しかったです。

◆小芝風花、花嫁道中は「蔦重の目が見られなかった」

― 第10回で印象に残っているシーンを教えてください。

小芝:花嫁衣装での花魁道中の着物が1番重くて、本当に布団だったんですよね(笑)セットの中で撮っているのでとっても暑くて、でも汗をかくとおしろいが取れちゃうので、いろんな人が扇風機や保冷剤をあててくれて、すごくケアしてもらいながら撮影していました。

普通は身請けされて大門を堂々と出ていくことは花魁たちにとって数少ない希望なんですけど、瀬川の場合はもちろんお勤めをしなくて良くなるという開放感もありながら、ここを出たらもう蔦重と二度と会えないという気持ちなので、すごく複雑でした。本来嬉しいはずのものがお別れの道中になるのですごく苦しかったです。最初に蔦重と目を合わせて振り返ってみんなに「おさらばえ」と言ったんですけど、そのときにもう一度蔦重を見ると大門を出て行けなくなりそうだったので振り返ったときは各々別の道に進むということで蔦重の目が見られなかったですね。「ここからやっと出られる」というよりは「ここを出たら蔦重への想いは蓋をして検校の妻として生きていくんだ」という本当に区切りの門でした。特に撮影前に流星くんと話さなかったんですけど、シーンとしても言葉も交わさず気持ちは通じ合っていると思うので、自然とそうなりました。

◆小芝風花、印象に残っている瀬川のセリフ

― 横浜さんと演技において話し合ったシーンはありますか?

小芝:感情の確認として、例えば第9回の足抜けを1回試みようとするところで流星くんが「やっぱり幼い頃から2人とも吉原にいるから、本当にこれが成功するなんて思えないよね」という話をされていて。カツラを変えて着物を変えたぐらいで出られたら誰もいなくなるからそれはそうで、「それでも夢を見てしまう感情ですよね」という話を監督混じえてみんなで話しました。

― 特に思い入れのあるセリフは?

小芝:第8回で蔦重に「別の人に身請けされて幸せになってほしい」と言われたときの「馬鹿らしゅうありんす」という言葉は、すごく印象に残っています。もちろん報われると思っている恋心ではないけど、瀬川になってからお勤めがすごくしんどくて、それでも蔦重の細見が売れるように瀬川というブランドを汚さないようにすごく身を削って頑張った挙句、言われたセリフがあれだったので、「本当に何をやってるんだろう自分」と感情的にもすごく苦しかったので、印象に残っています。

― 全体を通して花の井/瀬川は幸せだったと思いますか?

小芝:難しいですね。自分の幸せよりも人の幸せを願える人なので、とにかく自分がしんどくても辛くても自分の望みが叶わなくても、最後まで蔦重が思い描いた世界になるために尽くせる人で蔦重のまっすぐさを守るために生きた人なんだろうなと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第11回 「富本、仁義の馬面」あらすじ

『青楼美人合姿鏡』が高値で売れず頭を抱える蔦重(横浜流星)は、親父たちから俄祭りの目玉に浄瑠璃の人気太夫・富本豊志太夫(午之助)(寛一郎)を招きたいと依頼される。りつ(安達祐実)たちと芝居小屋を訪れ、午之助に俄祭りの参加を求めるが、過去に吉原への出入り禁止を言い渡された午之助は、蔦重を門前払いする。そんな中、鳥山検校(市原隼人)が浄瑠璃の元締めだと知った蔦重は、瀬川(小芝風花)のいる検校の屋敷を訪ねる。

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