Juju、タイヤ交換ミス&ブレーキ違和感で大後退。チェッカー前の急加速に「びっくり!」/第2戦鈴鹿

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2025年03月09日 21:00  AUTOSPORT web

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Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)/2025スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦鈴鹿
 鈴鹿サーキットで行われた2025スーパーフォーミュラ第2戦に21番手から臨んだJujuこと野田樹潤(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)。2025年1月に立ち上がった新チームとともに、2カ月余りという短い準備期間のなかで迎えた開幕大会の第2戦は、レース中盤のピットストップでタイヤ交換に時間を要したことで大きく後退してしまった。
 さらに、セーフティカー(SC)が導入された最終盤では、上位勢に挟まれた位置でSCランに入ることになり、迎えたチェッカーのタイミングに急加速した周囲のマシンの渦中にいたことで、混乱のなか第2戦を終えた。

■SCラン時はチームからの情報なし。「なんか、えらいところにいるな」

 レース後、全ドライバーが参加して行われる“メディアミックスゾーン”に現れたJujuは、笑顔を見せた前日とは異なる表情で「ちょっと今回はつらいレースになっちゃったな」と語り始め、新たなチームと挑んだ2レース目を振り返る。
「今日はあまりにもクルマのペースがなかったです」
「(その理由の)一番はブレーキで、普段のフィーリングとちょっと違うような、止まりにくい感触がありました。まだ原因もわからないので、工場に帰ってから見直して、しっかり原因を見つけて(第3&4戦)もてぎを迎えたいなと思います」と、前日と一変したマシンに戸惑い、攻めたレースをできなかったことにがっかりしている様子。
 そのなかでも、レース前半に目の前を走っていた野中誠太や高星明誠(ともにITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)とは、近いペースで周回を重ねる奮闘を見せ、12周目の終わりにはピットインを行った。
 しかし、右フロントタイヤの交換作業に遅れが生じてしまったことでピットアウトするころには大きく後退。トップ集団とは1ラップ差になり、数秒のギャップを維持していた前の高星とも54.774秒の差が開いてしまった。
 マシンへの違和感に、タイヤ交換でのタイムロスが重なる苦しい展開となった中盤だったが、このことに関しては「まだまだ練習しなければいけない」と言葉にする。
「ピットストップに関しては、やっぱり(チーム立ち上げから)2カ月で、みんなが新しいメンバーですし、まだまだ練習しなければいけないところはあると思います」
「(今回のミスも含めて)伸びシロは私もチームもまだまだあると思うので、ミスをネガティブには考えず、今日の課題をメンバーがひとりひとりで見つけて、次戦までに少しでもクリアできるようにします。チームのみんなから感じるモチベーションはすごく高いですし、一生懸命やってくれているので、不安はありません」
 その後も、「こういったレースはあると覚悟していたので、しっかり原因を見つけてクリアしたい」と重ねて語ったJuju。新チームが越えていくべきハードルを乗り越える意識へ、早くも切り替えた様子だ。
 そして、前日に比べて扱いにくい状況にあるマシンに乗りながら、SCランとともに迎えたチェッカーは、突如カオスな展開に。
 状況を振り返ると、この時1ラップ遅れのJujuは、2番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と3番手の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)に挟まれた位置でSCランに突入。そしてチェッカーを迎えるタイミングで、グリーンフラッグ未掲示のなかセーフティカーが隊列の先導を離れてピットロードへ向かった。そのなかで、5秒のタイムペナルティが課されていた2番手の太田が後続とギャップを開くために加速し、Jujuより後ろのドライバーも太田の5秒以内のポジションに入るべく急加速。しかしここでJujuは加速せず、坪井以降のドライバーは彼女の10号車に詰まるかたちになってしまった。
「あの時は正直、あまり(チームからの)情報がありませんでした。なので、『なんか、えらいところにいるな』と思って」と、渦中にいたJujuは振り返る。
「前(太田格之進)に詰めてはいたのですが、最後に再スタート(SCランを解除)するのは知らなくて。そのままセーフティカーの後ろに付いてのフィニッシュなのかなと思ったら、いきなりSCが(ピットレーンに)入っちゃって、『おぉ、びっくり!』と」
「レース後に太田選手のペナルティの話を聞いたので、今になったら状況は理解できるのですが、あのときはまったく状況を知らず、『えらい気合入ってるな』と思いましたね」
 Jujuの振る舞いが上位勢の順位に影響を与えることはなかったが、違和感のあるマシンに奮闘しながらもピット作業のミスで遅れを取っていたレースにおいて、特異なヒヤリシーンとなった。
 最後には、6週間後の4月18〜20日に行われるモビリティリゾートもてぎでの第3&4戦へ向けて意気込んだ。
「昨年のレースは本当に暑い時期のレースで、タイヤのデグラデーションに苦労したイメージがあるのですが、今回は全然気温も違うので、もてぎの新しい一面も知るのかなと」
「ただ、そこら辺はあまり考えてもしょうがないところもあるので、まずは今日の課題を次のもてぎに向けてしっかりとクリアしていくことにフォーカスして、自信を持ってレースできるようにしていきたいなと思います」
 バトルの多い決勝を走った第1戦からは一転、第2戦は困難続きの展開となってしまった。しかし、初レースを迎えたHAZAMA ANDO Triple Tree Racingにとって、完走という結果自体が貴重な収穫になるはず。着実に稼いだマイレージを糧に臨む春のもてぎ大会では、どんな挑戦が待ち受けているだろうか。

[オートスポーツweb 2025年03月09日]
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