予選1-2から一転。決勝ペースに悩むTEAM MUGEN、野尻智紀「ちょっと曲がらないマシンだった」

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2025年03月09日 21:20  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第2戦決勝直後、ピット内に集まるTEAM MUGENの首脳陣たちと野尻智紀
 スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿、予選で2戦連続のポールポジションを獲得し、歴代ポール獲得記録も更新した野尻智紀(TEAM MUGEN)だったが、決勝は4位に終わってしまった。チームメイトで予選2番手の岩佐歩夢も3位に終わり、決勝でのTEAM MUGENの2台は実質、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台に敗れるかたちとなった。レース後の野尻、そしてTEAM MUGENのふたりのエンジニアに聞いた。
「スタートでは単純にギヤが入らなかっただけです」と野尻。ポールスタートながら2速が入らず、加速が鈍ったところで岩佐にホールショットを奪われてしまった。
 野尻を担当している16号車の田口顕人エンジニアが説明する。
「これからデータを見てみないとわからないですけど、1速で若干ホイールスピンがありながらシフトアップして、その時に2速が弾かれて、ホイールスピンしたのが原因か、2速に入らなかったのが原因なのか」
 いずれにしても、野尻車としては前を追う展開となった。
「1周でピットに入るのは、僕は『どうだろう?』と言っていたのですけど、いろいろ話し合う中で『とりあえず最初に入ってみましょう』みたいな。少なくとも僕はもう歩夢に前に行かれたのでクリーンエアでは走れない、ちょっと曲がらないマシンだったので、(先にピットに入って)ひとりで走った方がいいかなというのもありました。あとは昨日のレースでセーフティカーが多く出ていて、今日も何が起こるかわからないので、あのタイミングで入ったという感じですね」
 1周目にピットインして、コースに復帰した野尻だったが、誤算だったのはダンデライアンの2台のペースが予想以上に速かったことだ。同じく1周目にピットインした太田格之進にオーバーテイクを許し、その後、付いていけるペースはなかった。
「ロングランはあんまり良くはなかったかなとは思います。予選からそんなに大きくは変えていないのですけど、ちょっと曲がらないという感じで、それなりのペースでは走れますという感じでしたね」と野尻。
 野尻は「ちょっと」と表現するが、担当の田口エンジニアに聞くと、かなり厳しい状況だったことが伺えた。
「予選はまずまずとしても、昨日も今日もアンダーステアに苦しめられたところがあって、そこを消しきれなかった感じです。最後の方はフロントタイヤがかなりしんどい状況で、もう(表彰台よりも)ポイントを取ることを優先しようかと悩んでたぐらいの感じだった。正直、最後にセーフティカーが入ってくれて助かったかなと」と田口エンジニア。
 決勝のペースで厳しい状況だったのは、チームメイトの15号車岩佐車も同様だった。岩佐車担当の小池智彦エンジニアが振り返る。
「昨日、ウォームアップがちょっと悪かったので今日はウォームアップ重視のセットアップにしていて、ロングランのペースが犠牲になるかなというのは念頭にありましたけど、ウォームアップは良かったですね。牧野選手に抜かれましたが、単純に牧野選手が速くて、負けてしまったかなと」
「クルマは良くなかったですけど、レースとしてはドライバーも頑張ってくれて、戦略も臨機応変で、ペースがなかったので早めに入れなかったらもっと下に落ちていたので、あれで良かったかなと思います」と小池エンジニア。
 予選でTEAM MUGENの2台は圧倒的な速さを見せながら、決勝ではダンデライアンの2台のペースが優っていた。
「今回たまたまと言うと良くないけど、予選で前に行けたのでまだ良かったですけど、やっぱ決勝ペースはダンデさんに全然勝てていない。やっぱりチームとしてレースはもうちょっと強く戦ってかないと勝てないと思います」と小池エンジニア。
 今季、野尻の担当エンジニアとしてトラックデビューして、2連続ポール獲得、最多ポール記録更新を支えた田口エンジニアも「『(予選の)ビギナーズラックが2度も続くんだな』って(苦笑)。でも結局、決勝で痛い目にあっているので。予選は予選で嬉しいですけど、それ以上にトータルでポイントを稼がないと」と反省しつつ、ポジティブな面も強調した。
「もともと16号車は去年から決勝のペースの問題があったので、そこが解消しきれていません。一瀬(俊浩)さん(昨年まで野尻を担当して2連続チャンピオン獲得)から僕に代わってもなかなかすぐには。一瀬さんが解消しきれなかったものが、僕がすぐ解消できるとは思っていないですけど、いろんなタマが見つかったりしていますし、決勝に関してもまだシーズンは始まったばかりなので、ある意味、チャレンジしていく中でデータが蓄積できれば」と田口エンジニア。
 次のもてぎもダンデライアンの実績が良いコースだけに、TEAM MUGENの2台がどのような戦いを見せるのか。いずれにしても、今季のチャンピオンシップはこの2チームが中心となって展開していくことは間違いなさそうだ。
https://twitter.com/jsports_motor/status/1898641400582865060

[オートスポーツweb 2025年03月09日]
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