『ドールハウス』ⓒ2025 TOHO CO. 長澤まさみが、『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』など多くのエンタメ映画を世に送り出してきた矢口史靖監督とタッグを組み、主演を務める映画『ドールハウス』。2月28日からポルトガル第2の都市・ポルトで毎年開催されているポルト国際映画祭で国内に先駆けて上映され、見事グランプリ「Best Film Award」を受賞した。
主演の長澤が脚本の面白さに出演を熱望したという本作は、110分の間、怒涛の展開を見せるノンストップの“ドールミステリー”。
脚本・監督を務めた矢口監督が「いつかオリジナル脚本でミステリーを撮りたい」とアイディアを温めていた本作は、愛らしい人形が一転、家族を翻弄していくスリリングな面白さ、人形に隠された秘密が徐々に解き明かされる謎解きミステリーの醍醐味もあり、冒頭から観客を引き込んでいく。
かつてないほど“ゾクゾク”と“ワクワク”を予感させる映像で話題の本作は、第45回ポルト国際映画祭にて上映され舞台挨拶を実施。
ポルト国際映画祭は1981年にはじまり、ファンタジーやSFなどのジャンル映画に特化した国際映画祭であり、シッチェス国際映画祭やブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭と並び世界三大ファンタスティック映画祭の1つ。本作は、ファンタジー長編部門のコンペティション及びオリエントエクスプレス部門で選出されていた。
グランプリ「Best Film Award」は、かつてアカデミー賞監督のギレルモ・デル・トロやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、カルト映画の鬼才ジョージ・A・ロメロ、そしてデヴィッド・フィンチャー、ダニー・ボイル、ピーター・ジャクソンなど歴史に残る名作を撮ってきた、そうそうたる監督たちも受賞したポルト国際映画祭の最優秀作品賞。
現地での舞台挨拶では、矢口監督と、劇中で愛らしい人形ながらも長澤演じる主人公の家族を翻弄していく謎の人形“アヤ”が登壇し、観客から拍手喝采。本編上映中も所々で驚きの声があがり、ときには笑い声も聞かれ、息もつかせぬストーリー展開に見入っていたポルトの観客たち。上映後にはエンドロールを待たずに5分間にわたるスタンディングオベーションが巻き起っていた。
ポルト国際映画祭の共同ディレクターであるベアトリス・パチェコ・ペレイラは、選出の理由について、「女性たちの心が映されている」と語りつつ、「人形が可愛らしくもまるで悪魔のようで、ごく普通の家庭におとずれる恐怖がぞくぞくと伝わってきました」と評している。
またこの喜ばしい結果を受けて、矢口監督は「賞を頂けたことで、映画として誰にでも楽しめるエンタテインメントができたのだと確信しました。ありがとうございます」と喜びのコメントを寄せている。
<矢口監督コメント全文>
ポルトの観客の皆さんにお礼を言いたいです。
あんなに熱狂的に受け入れてくれるとは想像してなかったので、上映中のどよめきと大絶叫が一番のご褒美です。
賞を頂けたことで、映画として誰にでも楽しめるエンタテインメントができたのだと確信しました。
ありがとうございます。
<ポルト国際映画祭共同ディレクター ベアトリス・パチェコ・ペレイラのコメント全文>
この作品を選んだ理由の一つは、女性たちの心が映されていることです。
映像も美しく見ごたえがある作品でした。人形が可愛らしくもまるで悪魔のようで、ごく普通の家庭におとずれる恐怖がぞくぞくと伝わってきました。
作品のテイストも独創的です。CG技術に頼らない作品で、この人形のような質感はCGでは出せないものです。
面白いことに、彼女が本当に普通の子供に見えました。人形なのに本物の人間のように見えてしまうのです。
私も幼かった時、ちょうど同じような人形を持っていたんです。
小さな人形でしたが…彼女のように怖い人形ではなかったですね!
チケットは完売でした。大ヒット間違いなしですね。
『ドールハウス』は6月13日(金)より全国東宝系にて公開。
(シネマカフェ編集部)