中村鴈治郎「吉沢亮さんらの歌舞伎シーンに感動」 映画「国宝」出演、出演者に歌舞伎指導

0

2025年03月11日 05:00  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

映画「国宝」の主演吉沢亮(左)に歌舞伎指導する中村鴈治郎(C)吉田修一/朝日新聞出版(C)2025 映画「国宝」製作委員会

歌舞伎俳優中村鴈治郎(66)が、映画「国宝」(李相日監督、6月6日公開)に出演し、さらに主演の吉沢亮(31)や共演の横浜流星(28)らに歌舞伎指導をしたことが10日、分かった。鴈治郎の映画出演は19年「ねことじいちゃん」(岩合光昭監督)以来6年ぶり。


作家吉田修一さんが歌舞伎の世界を描いた小説が原作。吉田さんが作品を書くにあたって3年間、鴈治郎の元で黒子を経験した。その縁があり、李監督から出演オファーを受けた。


歌舞伎の名門、富士見屋の当主吾妻千五郎を演じた鴈治郎は「普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではより良い作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを見た時に、現場の状況を思い出し、とても感動しました」とコメントした。


また、鴈治郎は、所作やせりふ回し、化粧の仕方や、作品のキーになる演目についても指導を行った。上方歌舞伎の名作「曽根崎心中」については、演目の背景、せりふの意味や言い回し、心情の理解、言い回し、女形の声の出し方などを指導。さらに、楽屋や舞台袖での過ごし方など、演じる以外の部分も教え、衣装やかつらに慣れない出演者のケアをする姿も見られたという。


鴈治郎は「この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を見たことのある方には違和感なく、作りごとでもなく、自然に見ていただければ一番いいな、と思っています。そして、この作品をご覧になった方々が歌舞伎に興味を持っていただければ、こんなにうれしいことはないです。吉沢亮さん、横浜流星さん、黒川想矢くん、越山敬達くん、田中泯さん、渡辺謙さんには本当によくやっていただいたと思っています。今は観客の皆さんに受け入れてほしいなと切に願っています」と話している。


撮影は24年3〜6月、京都・東映をはじめ、上七軒歌舞練場、先斗町歌舞練場、兵庫県豊岡市の出石永楽館などで行われた。鴈治郎は舞台の合間をぬって撮影現場入りしたという。

    ニュース設定