2025年F1プレシーズンテスト フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 2025年F1シーズンが3月14〜16日のオーストラリアGPで幕を開ける。10チーム、そして20人のドライバーたちは、今シーズンどのような活躍が期待され、どのような課題に直面するのか。長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏の見解を、チーム別にお届けする。今回は2024年コンストラクターズ選手権5位だったアストンマーティンに焦点を当てる。
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■アストンマーティン:天才ニューウェイの今年の効果は限定的
アストンマーティンにとって、2025年はある意味、“ゼロイヤー”であるといえる。エイドリアン・ニューウェイが仕事を始めたばかりであり、彼の魔法の効果が表れるのに時間がかかるからだ。
今のニューウェイの主な任務は、来年勝てるマシンを作ることであるため、彼はAMR25には大きな関心を示さないかもしれない。今年型マシンは、基本的に昨年マシンの改良に失敗した人々によって設計された。そのため、今シーズンは中団上位で戦う力も発揮できない懸念がある。
ただ、アンディ・コーウェルがチームを再編成し、エンリコ・カルディレがニューウェイのサポートを行うことを考えれば、チームが大幅に改善する見込みもある。2025年のアストンマーティンは、2023年や2024年とは反対に、シーズンが過ぎるについて強さを増していくかもしれない。
■フェルナンド・アロンソ:3度目のタイトルを諦めず、来季に集中
今のアロンソには、高いモチベーションを感じるための材料が必要だ。今年のチャンスに関して彼は過度な幻想を抱いてはいないが、ついにニューウェイと同じチームで仕事をする機会を得ることを楽しみにしている。
天才エンジニアがシーズン序盤にAMR25を改良するうえで、アロンソのフィードバックは極めて重要になる。だがふたりの焦点は、来年のマシンを完璧なものにすることにある。アロンソは自身に残されたF1ドライバーキャリアがそれほど長くないことを理解しつつも、3度目のタイトルを夢見ている。
■ランス・ストロール:七光りだけではないと証明するチャンスが到来する
過去のどのチームメイトに対しても優位に立てずにいるストロールは、“オーナーの息子”というレッテルを貼られたまま、F1での9シーズン目に突入する。ニューウェイとともに仕事をすることで、ストロールは自分が実力でF1にいると示す最後のチャンスを得るだろう。しかし2025年に彼が周囲からの評価を変えることができると考える者は、パドック内にはごくわずかしかいないか、もしかすると皆無である。
[オートスポーツweb 2025年03月11日]