
3月10日、東京都内のNHKで2025年前期の連続テレビ小説「あんぱん」の第1週完成試写会見が行われ、出演者の今田美桜と北村匠海が出席した。
連続テレビ小説第112作となる「あんぱん」は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人の人生。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語。
主人公・朝田のぶと柳井嵩の幼少期を描く第1週は、子役がメインで物語が進行する。「私自身も、まず視聴者として楽しめた」とその感想を口にした今田は、「とても快活で、私が演じる上でののぶをたくさん作り上げてくれたゆずなちゃんに感謝」と幼少期ののぶを演じる永瀬ゆずなをたたえた。
自身も子役出身の北村は、「なんでこんなに説得力のある形で嵩やのぶを歩き出させてくれたんだろうと、すごく感じます。自分がその年代だったら、絶対にできない」と子役たちを称賛。嵩の幼少期を演じる木村優来については、「嵩のすごく大事なルーツの部分を見事にやってくれていたので、すごく不思議な魅力を持った子だなと」と印象を語った。
また、本作を通じて感じたやなせ夫妻や『アンパンマン』の印象について尋ねられると、今田は「暢さんの存在を知る機会があまりなくて」と前置きした後、「でも、いろいろと知っていくと、やなせさんが描かれた作品は、やなせさんの人生や人柄から生まれたものもありますが、暢さんがいたからこそだというのは本当に感じます」と、発見があったことを明かした。続けて「やなせさんの作品に、どこか暢さんの明るさを感じる」との言葉も。
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「実在する方を演じるのは、(明石家)さんまさん以来」という北村は、役作りについて「僕らのやなせさんの印象は、テレビを通して見た印象などで構築されていますが、実際にやなせさんの周りにいた人が感じていた空気だったり、2人が作り出していたであろう空気みたいなものを描かなきゃいけない」と意気込み、そのためにアンパンマンをはじめ、無数の資料を読み込んだという。
また、これまで何度も共演経験のある2人は、今回の撮影を通じて感じたお互いの印象も披露。まず今田は、北村について「落ち着いていて冷静で、やわらかい部分は変わらないけど、この『あんぱん』を撮影していると、等身大の部分も見える瞬間がたくさんあって。そこにすごくほっとする」と安心している様子。北村演じる嵩については、「嵩は暢みたいにたくさん笑う子じゃないので、嵩のうれしそうな顔や大きな感情を見られると、暢としてはとてもうれしく思える瞬間がいっぱいあります」と喜んだ。
これに対して北村は、「リハーサルから、段取り、テストまで、何一つ手を抜かない」と作品に向き合う今田の姿勢をたたえた上で、「目の前に起きていることを素早くキャッチして、それをすぐ、自分自身の感情にできる力を今田さんには感じています」と、共演を通じて感じた役者としての魅力を語った。座長としての今田については「この『あんぱん』の現場を作り上げているのは、今田さん」と明言し、「戦争のパートを今、撮っていて、現場は男だけ。スタッフが今田さんを求めている空気を、ひしひしと感じる」とその存在の大きさを実感している様子だった。
連続テレビ小説「あんぱん」は、3月31日放送スタート。

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