会談に臨む衆参野党の国対委員長ら=11日午後、国会内 自民党は11日、高額療養費制度の患者負担上限引き上げの凍結を踏まえて2025年度予算案を再修正する方針を固め、立憲民主党に伝えた。一方、政府が今国会提出を目指してきた年金制度改革関連法案に関し、立民は自民が呼び掛けた与野党協議に後ろ向きな姿勢を示した。予算案の年度内成立などを巡り、与野党のせめぎ合いが再び強まっている。
与党は25年度予算案の再修正案を来週にも参院へ提出する。参院本会議で可決された後、衆院本会議で改めて採決される見通しだ。年度当初の予算案が参院で修正の上、衆院に戻されるのは初めてとなる。
自民の森山裕幹事長ら党幹部は11日、党本部で予算案の扱いを協議した。その後、自民の坂本哲志国対委員長が立民の笠浩史国対委員長と会談。野党の求めに応じて再修正する方針を示し、それに必要な自民の党内手続きを18日に行うと伝えた。与党内には一時、再修正せずに予備費で対応する案も出ていた。
年金関連法案について坂本氏は笠氏に、政府提出法案の期限となる14日までに国会に出すのは困難だと説明。一方で、「提出を前提に論点、焦点を互いに合わせたい」と述べ、法案内容に関する協議への参加を正式に求めた。
これに対し、立民など野党各党の国対委員長は11日の会談で、政府が年金関連法案を国会に提出し、内容について説明することが全ての前提になるとの立場でおおむね一致。与野党協議について笠氏は記者団に「(国会)提出できない理由に野党を利用することは許されない」と述べ、与党をけん制した。
共産党は法案の内容に問題があるとして、提出に否定的な考えを示した。

会談に臨む自民党の坂本哲志国対委員長(左)と立憲民主党の笠浩史国対委員長=11日午後、国会内