シンシア・エリヴォ&アリアナ・グランデが語る、映画『ウィキッド』で“映え”るコツ

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2025年03月11日 20:00  ORICON NEWS

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映画『ウィキッド ふたりの魔女』でグリンダを演じたアリアナ・グランデ(左)、エルファバを演じたシンシア・エリヴォ
 人気ブロードウェイ・ミュージカルを、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの共演で実写化した2部作の前編『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)。『オズの魔法使い』のオズの国を舞台にしたファンタジーミュージカル映画でありながら、物事の見え方を一変させる力と、世代を超えた心に響くメッセージを持った作品だ。

【画像】シンシア・エリヴォ&アリアナ・グランデ撮りおろし写真

 すでに全世界興行収入約1100億円を突破するヒットを記録。現地時間3月2日に発表された「第97回アカデミー賞」では、衣装デザイン賞、美術賞の2部門を受賞。授賞式では、シンシアとアリアナがオープニングパフォーマンスを披露し、大きな話題となった。

 日本でも3月7日に公開され、週末3日間で32万887人を動員、興行収入5億1921万190円と、2024年以降に公開された洋画実写作品でNo.1の大ヒットスタートを切った。

 2月に、シンシアとアリアナ、そしてジョン・M・チュウ監督がプロモーションのため来日した際、ORICON NEWSが参加した取材会では、予定時間をオーバーしても真摯(しんし)に質問に答える姿があり、本作への熱い思いが伝わってきた。

■ エルファバ&グリンダになりきる“SNS映え”のコツ

――SNSでは、本作のアイコニックな“トストス(※)”を真似するショート動画が話題です。ジャパンプレミアでもエルファバ&グリンダのコスプレをしたファンが多く見られました。エルファバ&グリンダになりきるコツを教えてください。※トストス=グリンダが行う独特な髪の毛の振り方の呼び名。

【アリアナ】“トストス”は、自分らしさがすべて。歴代のグリンダにはそれぞれ独自の“トストス”があるんです。エルファバにも彼女ならではの“トストス”があって、それがまた彼女らしくて素敵なんです。

 とにかく、自分の好きなようにやるのが一番よ。たとえば、足の動きを加えたり、ウィンクしたりしてもOK。ショートヘアの方なら、小さめの動きがかわいいかもしれません。どうやるかはあなた次第。自分にとって一番しっくりくるやり方を見つけることが大事なの。

 実は、撮影で前後に髪を振る“トストス”もやったんだけど、監督にカットされました(笑)。その“トストス”のせいで、私は腰を痛めかけたの(笑)。つまり、いろんな選択肢があるってことよ。

【シンシア】エルファバは、指の動きがすべてでした。彼女が使う魔法は、指の動きに表れるんです。映画を観るときは、ぜひエルファバの指の動きにも注目してほしいです。それが、コスプレするときのヒントになるかもしれません。

【監督】この映画は、舞台版の“真似”や“完璧なパフォーマンス”を目指したものではありません。本物の感情を引き出すことを大切にして撮影していました。だから、シンシアやアリアナのように心から楽しんだらいいと思います。

■ 『ウィキッド』が世界中の人々に求められる理由

――ジャパンプレミア(2月19日開催)で本作のストーリーが世界中の観客に共感された理由について、チュウ監督は「正反対のふたりが違いを乗り越えて友情を結ぶという世界中の人が望んでいること、それが可能なのだということをミュージカルに乗せて表現しているから」と語られていました。シンシアとアリアナはどう思いますか?

【シンシア】あの時、監督が"Yearning(憧れや強い願望)"という言葉を使っていたのが印象的でした。今の時代、誰もが“理解”や“優しさ”を求めているのではないかと感じます。この映画は、ありのままの自分を受け入れてもらいたいという思いと同時に、自分とは異なる存在をどう受け入れるのか、傷つけられたときにどう許し、新たな一歩を踏み出すかを問いかける作品だと思います。人を外見だけで判断せず、その人の心の中にあるものを見る大切さを教えてくれる。それが、多くの人がこの映画を求める理由なのだと思います。

【アリアナ】本当にそうね。今の時代、物事の背景や文脈が無視され、複雑な感情や事情に対する理解が置き去りにされがちです。何でも見出しやレッテルだけで判断されてしまうことが多いですよね。分断が深まり、人とのつながりが失われがちな時代だからこそ、この映画のメッセージが響くのではないでしょうか。

 後の「悪い魔女」と呼ばれるシンシアも、この映画を観れば本当の“悪者”ではないことがわかります。一方、裕福な家庭で、皆から愛されて育ったグリンダには、世間知らずなところがありました。彼女が全てだと思っていた世界が壊れたときこそ、彼女が本当に持つ可能性が開花するのです。

 この物語は、「人は一面的な存在ではない」ということを私たちに教えてくれます。登場人物それぞれの人間らしさや、憎しみにどう向き合うか、そしてより良い友人になるためにどう行動するのか──そうしたテーマが描かれています。それはまさに、今の時代にとても重要なメッセージであり、同時に時代を超えた普遍的なテーマでもあります。『オズの魔法使い』の時代からずっと伝えられてきた、語り継がれるべき物語だと感じています。

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