政労使会議で発言する石破茂首相=12日午後、首相官邸 石破茂首相は12日、2025年春闘で大手企業が相次いで労働組合の要求に満額回答したことについて「官民連携の進展が実を結んだ」と評価した。首相官邸で同日開催した政労使会議で発言した。今後は中小・小規模企業で労使交渉が本格化する。首相は賃上げの勢いが中小企業に波及するよう「政策を総動員していく」と強調した。
政労使会議には、連合の芳野友子会長や日本商工会議所の小林健会頭が出席。経団連の十倉雅和会長はオンラインで参加した。終了後、福岡市内で記者団の取材に応じた十倉氏は「賃上げの勢いの定着が確信的なものに変わりつつある」と述べた。
課題である中小企業への広がりについて、芳野氏は「最後まで気を抜くことなく(組合を)サポートしていく」と強調。小林氏は、経済の好循環に向け「大企業は(下請け企業による)価格転嫁にも財源を大いに割いてもらいたい」と要請した。

政労使会議で石破茂首相の発言を聞く連合の芳野友子会長(中央)、日本商工会議所の小林健会頭(右)ら=12日午後、首相官邸