アジアラグビー(AR)副会長を一時的な停職となっている日本協会専務理事の岩渕健輔氏(49)が12日、現状を説明した。
都内での同協会理事会後に取材対応。あらためて「不当なものである」とスタンスを示した。
同氏をめぐっては、ARが2月24日に行動規範違反の可能性で、副会長の職務を一時的に停止すると発表。日本協会はARへ撤回を要請する文書、国際統括団体のワールドラグビー(WR)へWR規定に準じて経緯の調査を要請している。
岩渕氏の主な一問一答は以下の通り。
◆取材対応冒頭
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2月24日にARから公表された、私自身の副会長職の停止処分に関してご報告をいたします。すでにお知らせの通り、今回のARの決定、公表に関しては不当なものであり、ただちに撤回を求める内容を、日本協会としてARへ送付しております。
同時にWRに対して、ARの対応と本件に至った経緯を調査すること、介入することを要請しております。今後、WRの執行委員会にて、何らかの対応が取られると理解しております。
以前にもお伝えしましたが、ARのガバナンス、財務管理に深刻な懸念があります。その結果、WRからARへの助成金は昨年9月から停止している状況です。私がARの副会長になった経緯ですが、昨年11月8日にARの選挙がございました。現体制が続くことに関し、非常に懸念があるということで、日本協会として審議の上、私自身が副会長に立候補しました。最終的な状況を見て判断することにしていましたが、実際に副会長に立候補し、当選しているのが経緯でございます。
ARの現状の課題に取り組んで、健全化をしっかりと推進することで、私自身が副会長に当選するにあたり、多くの票をいただきました。その上でご支持をいただいたと思っております。そういう意味では今回、ご心配をおかけした関係者の皆さまに私自身、心苦しく思っていますが、本件が結果として、いい方向にいくと思っておりますし、そうなるように引き続き、全うしていきたいと思っております。
◆質疑応答
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−なぜARから、そのようなことを指摘されたのか
先ほどお話をしたように、今回の件がアジアのラグビーの改善に進むということで、いい方向に進めばと思っております。具体的にはWRの調査介入を要請しているので、多くのことは言えない状況にあります。今日の(日本協会)理事会では皆さまにお伝えできること以上のことは話はしていますが「なんでそんなこと(副会長職の停止)ができるのか」ということは、私が教えていただきたいというのが本音になります。現実的に何かまだ大きな仕事をしているわけでも、あるいはARから、例えば何か金銭的なものを受け取っていることもない。そういう意味では、なぜサスペンションしたというの説明は一切、いまだにない状況ですし、それ自体は全く分かっていない。本来的にサスペンションするにあたっては、さまざまな手続き、手順を踏む必要があります。例えば対象者に対するヒアリングを実施して、いろいろなことを話をして、審議をして…という一連の手続きがある。私自身、一切コンタクトがないまま、こういうことになりました。そういう状況になります。
−ARの処分に関して、現時点はどのように運用されているのか
ARと私、ないしは日本協会のやりとりは、いったん全て止まっています。その理由は日本協会として、WRに本件の調査介入を要請して、WR側から「直接のやりとりはしないように」という話がございましたので、やりとりは止まっています。サスペンションの状況はどうかというと(ARから)サスペンションがホームページで出た以外は、コミュニケーションは前にも後にも一切ありません。現状、ARの立場になれば、サスペンション中となります。
−ARの理事会などは
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ARの理事会は当分行われないことになっていますので、そういう意味で、仮にサスペンションでなくてどうなのか、というと、いったん何らかの業務が、そもそも発生していない状況になっています。
−WRからARへのアプローチのメドは
ここについても、あまり言えないことが多いのですが、当然、我々としては速やかな調査介入を要請しています。しかるべきタイミングであると認識しています。
−WRからARへ処分停止を解除するように通達があれば、物事が進むのか
WRがどういう動き、どういう介入をするかは、当然、私もまだ分かっていません。一方で今回の件について言えば、WRからARへの助成金が止まっている。そもそもWRとして、ARのガバナンス、財務管理について懸念を示しているのは、私のサスペンションより、はるか前からのことでございます。まず、その件について懸念を持っているのと、今回の件と、どのように絡むかは、WRの調査次第かと思っています。
−WRに調査を要請し、WRから「調査する」となっているのか
正式な言い方ですと、日本協会からWRの規定18条に基づいて、そういう話がありました(している)。そのため「ARと日本協会間のやりとりは中断してください」というのが、日本協会の会長、ARの会長宛にレターで届いています。従って、要請があったのは明確で、調査介入に入るというのは、まだ言っていない状況です。
−副会長の職務一時停止で、日本協会や、代表レベルの選手らが影響を受けることは
それは一切ないと思います。ARの副会長としての職務停止なので、そういう意味では日本協会、日本ラグビーとは、関係のないところでの職務停止となっています。
−ARの中にも、岩渕氏の姿勢を支持する声は届いているか
実際に今回の件が起こったときに、どのユニオンかを申し上げるのは控えますが、いくつかのユニオンが「なぜ、そういうことになるのか」という文書を、ARに送ってくれています。今回、副会長選に出た時の私の公約のいくつかが透明性、公平性、そういうことを皆さんに訴えて、15のユニオンから支持されたとなっています。当然(WRの)助成金が止まっていることで、いろいろなユニオンに、それぞれのユニオンの財政にダイレクトに影響が出てきている。そういう意味では何とかしないといけないと思っているユニオン、少なくとも私に投票してくれたユニオン、皆さん懸念を持っているのは事実です。
−「結果としていい方向に」というのは、ARのガバナンスに問題があることが周知されることで、良くなっていってほしい思いか
この件で周知されるというよりは、この件をきっかけにARがしっかり変わらなければ、このままではアジアのラグビーが前に進まないことははっきりしておりますので、WRの調査なのか、何か違った形なのか。先ほどご質問をいただいたアジアの国々がいろいろな形で、いい意味で動いてくれるのか。結果としてARが変わらなければ、アジアのラグビーは良くならないと思いますので、周知されるということではなくて、ARが大きく変わる、間違いなく1歩目になるのではないかと思っています。
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