24年夏のパリ五輪開会式で「愛の讃歌」を披露してステージ復帰した歌手セリーヌ・ディオン(56)が、人工知能(AI)によって作られた自身の楽曲と思われる「偽物」が出回っていると述べ「承認されていない」とファンに警告した。
米映画「タイタニック」(97年)の主題歌で知られるディオンは、22年12月に免疫性神経疾患である難病スティッフ・パーソン症候群と診断されたことを公表。歩行が困難になるなど日常生活に支障をきたすだけでなく、声帯を使ってこれまでのように歌えないと明かし、23年の公演を中止した。
ディオンはインスタグラムを更新し「セリーヌ・ディオンの音楽パフォーマンスや名前、肖像が含まれている許可されていないAI生成の音楽が現在、オンラインやさまざまなデジタルサービスプロバイダーに出回っていることが判明した」とコメント。「これらの録音は偽物であり、承認されておらず、公式ディスコグラフィーからの曲ではないことをご承知おきください」とつづり、注意を促した。
AI生成音楽を巡っては24年4月に歌手ビリー・アイリッシュやエアロスミスら200人以上のアーティストが、AI開発者、テクノロジー企業、デジタル音楽サービスに対してAI音楽生成技術の使用をやめるよう求める公開書簡に署名している。最近もポール・マッカートニーが英BBCのインタビューで英政府に対してAIからアーティストを保護するよう求めており、多くのアーティストが権利侵害を訴えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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