韓国人女性と結婚、妻の実家で“義母と同居”する日本人男性の本音「距離が日本より近いんです」

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2025年03月13日 16:10  日刊SPA!

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ショウタさん
多くの家庭が直面する悩みの一つである「義家族との関係」。SNS上では、昨年末の帰省シーズンに「義実家帰省キャンセル界隈」という言葉が生まれたほど、義両親との付き合いに悩む人は少なくありません。
お隣・韓国に嫁いだ日本人女性たちも、異なる次元での義両親との関係に戸惑うことが多いといいます。一方で、義両親との関係に恵まれ、手厚いサポートを受けながら結婚生活を送る夫婦も。

今回は、韓国で生活する日本人男女2名に、韓国の義両親との関係について話を伺いました。

◆「帰宅したら別居の義母がいた」家の暗証番号の共有は当たり前

ルナさん:私は26歳のときに韓国人男性と結ばれ、韓国で結婚生活を送っています。現在は一児の母として育児に奮闘する日々です。

ーー韓国で感じた「義両親との距離感の違い」について教えてください。

ルナさん:とにかく、すべてにおいて日本よりも距離感が近いと感じます。私はマンションに住んでおり、部屋の鍵は暗証番号タイプです。

たびたび義母が家に来るので、結婚した当初は遠隔でロックを解除しエントランスに入ってもらっていました。しかし、いつからか部屋の暗証番号まで知られてしまい、私たちが不在のときも家に入ってくるようになりました。

ーー不在のときにも!義母さんは何をしにお家に来るのでしょうか。

ルナさん:週末になると、大量の手作りおかずを持って訪ねて来るんです。韓国には、自分の子どもたちのためにおかずを差し入れする義母は少なくありません。最初この文化を知ったときは「韓国独特の愛情表現で素敵」と思っていましたし、おかずもとてもおいしいです。

ただ、最近は量が多すぎて食べきれず、結局捨ててしまうことが増えました。ありがたいけど、こっそり捨てる家庭は多いんじゃないでしょうか。

ーーなかなか断りにくい部分ですよね。子育てで義母さんから言われることはありますか?

ルナさん:これ、韓国オンマあるあるだと思うのですが「エギチュウォ(赤ちゃんが寒そうだから、もっと厚着をさせなさい)」が口癖です(笑)真夏の汗ダラダラの日でも言われるので、もう無視してます。

ーー冬の寒い時期なら分かりますが、真夏の日まで!(笑)ちなみに、経済面での違いは感じますか?

ルナさん:韓国では両親の誕生日や5月8日の「父母の日」に、現金を贈る習慣があるんです。最初は文化の違いに驚きましたが、いつもおかずを作ってもらってるし、モノをあげるよりも使い勝手がいいでしょうから、納得できますね。

ただ、友人の家庭ではそういうことは一切しないそうなので、家庭にもよります。

◆お小遣い文化を面倒に感じる現代の夫婦

ーー現金を渡さないと、どうなるのでしょうか。

ルナさん:家庭にもよりますが、小言をいう人もいるみたいです。義母のコミュニティで「息子夫婦に◯◯に連れて行ってもらった」「お金をこのくらいもらった」と自慢し合うのが楽しいみたいです。

ーー韓国人の旦那さんは、韓国の「両親へのお小遣い文化」についてどう考えているのでしょうか。

ルナさん:夫は夫で大切なこととは思いつつ、少々面倒には感じているようです。私たちも経済的に余裕があるわけではないので、金額は夫と相談しながら決めてますね。相場は一度に1〜3万円といったところでしょうか。

聞くところによると、義両親がうるさすぎて見かねた韓国人夫が、両親にクレジットカードを渡して生活してもらっている家庭もあるようです。カードの使用履歴が生存確認代わりになっているとか(笑)

愛情表現の方法が日本とはまったく違うので、まだ戸惑う部分も多いです。ただ、夫にはこちら側への理解があるので助かっていますね。

◆「生活をすべてサポートしてくれる」義母に当たった婿入り男性

一方で「生活をすべてサポートしてくれる」義母に当たった日本人男性もいます。

ショウタさん:私は韓国人女性と結婚し、義理の母と3人で暮らしています。

ーー義母さんと同居することになったきっかけを教えてください。

ショウタさん:私と妻は、お互い20代半ばのときに結婚しました。韓国に来てすぐは仕事が見つからず、妻も若かったため経済的に安定しているとはいえない状況でした。

そんなとき義母が「稼ぎが安定するまでうちにいなさい」と提案してくれたため、同居という形を取りました。

ーー同居生活はいかがですか?

ショウタさん:義母がとても慈悲深い人で、私たちの仕事が安定するまで生活費はほぼ全額出してくれました。文句一つ言わず、しばらくの間、経済的に支援してくれました。

ーー住まいを提供してくれただけでなく、金銭的なサポートまでしてくれたんですね!義母さんとの関係は良好なのでしょうか?

ショウタさん:本当の息子のように接してくれますね。服を買ってくれたり、義母が外出した帰りにお土産としてキンパやおでんを買ってきてくれたり。料理もしてくれますし、妻と二人で映画を見に行くときも、お小遣いをくれます。別居の義父も同じように気にかけてくれます。

本当によくしてくれるので、私たちも義両親の誕生日にはご飯を一緒に食べ、ほしいものの足しにとお金を渡したりします。

◆実の息子のようにかわいがってくれる理由

ーー実の息子のようにかわいがってくれるのですね。そこまで親身になってくれる理由は何だと思いますか?

ショウタさん:妻が言うには、私が「サウィ(婿)だから」なんだそうです。自分の娘を大切にしてほしいから、婿である私によくしてくれるんです。娘を幸せにしてほしい気持ちの表れなんでしょうね。義理の姉の夫にも同じように接していて、本当に情の深い方です。

ーー義両親の情の深さを感じたエピソードはありますか?

ショウタさん:実は妻とは一時期、別れ話が出たことがありました。原因は夫婦の性格の違いであって、義両親は一切関係がありません。それなのに、義母が「私があなたたちによくしてあげられなかったから…」と、自分の問題だと捉えてくれて。

夫婦の問題を真剣に聞いてくれて、妻と義母と僕の3人で号泣しましたね。義父も義母と同じように責任を感じ、親身になってくれました。

ーー夫婦の問題を自分ごととして捉えてくれるとは、愛情の深い方々ですね。ショウタさんと義両親との関係で、困ることはないのでしょうか?

ショウタさん:義母は私に対してはかなり気を遣ってくれるのですが、実の娘である妻には厳しいところがあります。あまりに妻がストレスを抱えていたため、私が義母に強めに意見したことはありましたね。

韓国語は日本語よりも語気が強く、怒っていなくても怒っているように聞こえるときがあるので、そこは難しいところですが。

ーー義母と夫婦、お互いが理解し合う関係が理想ではあるものの、若い夫婦が年上である義両親の価値観に合わせる場面のほうが多いはずです。理解あるパートナーと協力して、義家族との関係を続けるのが一番かもしれませんね。

<取材・文/松浦聡美>

【松浦聡美】
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。X:@bleu_perfume

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