桜田ひより主演、辻村深月の小説を映画化した『この夏の星を見る』7月4日公開決定(上段左から)桜田ひより、haruka nakamura(下段左から)山元環監督、森野マッシュ 俳優の桜田ひよりが、直木賞作家・辻村深月の青春小説が原作の映画『この夏の星を見る』で主演を務めることが明らかになった。同映画は、7月4日に公開される(配給:東映)。
【画像】『この夏の星を見る』原作書影 2020年、新型コロナウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、さらには緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱える中高生たちの青春を描いた作品。
桜田が演じるのは、茨城県立砂浦第三高校の2年生・溪本亜紗。これまで誰も経験したことのないコロナ禍において、不安な気持ちや悩みを抱えながらも懸命に生きる高校生の亜紗を演じきった。
「学生時代のなんでもないことで笑い合えたり、一緒に熱くなれる瞬間を同世代の俳優の方々と大切に演じていこうと思いました。撮影は実際に原作に登場する高校を使わせていただいたので、感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントしている。
原作は、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞、河北新報、山梨日日新聞の各紙に2021年6月から22年11月まで順次掲載され、23年6月に、KADOKAWAから刊行された長編小説。今年6月には角川文庫、角川つばさ文庫にてそれぞれ上下巻での文庫化が予定されている。
映画は、次代を牽引していくことが期待される若きクリエイターのデビュー作品となる。監督を務めるのは、1993年1月22日生まれ、大阪府出身、大阪芸術大学映像学科を卒業した山元環。2019年に公開されたショートフィルム 『ワンナイトのあとに』がyoutubeで300万回再生され話題になり、その後、監督・脚本を務めたBUMP配信ドラマ『今日も浮つく、あなたは 燃える。』の切り抜き等がSNSで総再生回数4億回を超える。
最近では、『夫婦が壊れるとき』(NTV)、『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜』(TX)、『痛ぶる恋の、ようなもの』(TX)では監督・脚本を務める。斬新な映像表現とキャラクター造形の深さに定評がある新進気鋭のアーティスト。
山元監督は「コロナに負けない中高生達、いわゆるブレイブジェネレーションが主役の物語です。マスクで見えない表情、友人との距離感、先の見えない時間、そんなコロナ禍にあった壁を突破して、時代じゃ止められない青春の躍動を映画の中に詰め込みました」と意気込む。さらに「当時失われた青春と言われていましたが、壁があるからこそ、青く燃える春がある。過ぎていったコロナ禍の時代に、今に繋がる大切な時間がこの映画にはきっとあると思います」とメッセージを寄せた。
脚本は、1996年9月24日生まれ、埼玉県出身、法政大学文学部日本文学科を卒業した森野マッシュが務める。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域を修了。坂元裕二教授の元で脚本を学び、「FIN」にて第47回城戸賞最終選考に選される。2022年に『ケの日のケケケ』が第47回創作テレビドラマ大賞にて大賞 を受賞。近年では、『沼オトコと沼落ちオン ナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。〜』(TX)や『君となら恋をしてみても』(MBS)、「VRおじさんの初恋」(NHK)の脚本を担当。デリケートな心を真面目に描くだけではなく、物語として昇華させる力量は、脚本家の中でもトップクラスの水準を誇る実力者だ。
音楽は、haruka nakamuraが担当。『ひきこもり先生』(NHK)、『息をひそめて』(Hulu)、『あの子の子ども』(KTV)、『アポロの歌』(MBS)など、ドラマ、映画、CMの音楽を多く手掛けている。昨年に公開され、動員100万人突破、興行収入20億円を超える大ヒットとなった『ルックバック』では音楽と主題歌を担当した。
■原作:辻村深月のコメント
物語の舞台は2020年、コロナ禍の一年目です。天文部を描いたきっかけは、誰にとっても非日常だったあの日々の中で野外の部活動ならばできるのではないかという単純な思いからでした。けれど、宇宙に目を向けたから見えたこと、著者の私が主人公たちを通じて見せてもらった景色がたくさんあります。志を同じくし、彼らに共感してくださったスタッフ・キャストの皆さんが映画の中で広げてくださった世界もまさにそのひとつです。皆さんにも、彼らが「この夏」に見た星の輝きを一緒に見届けていただけたら、とても光栄に思います。
■主演:桜田ひよりのコメント
原作者の辻村さんの作品は以前から読ませていただいていたので、出演が決まった時に、まさか自分が辻村さんの世界観に入れるなんて…といううれしさが込み上がりました。学生時代のなんでもないことで笑い合えたり、一緒に熱くなれる瞬間を同世代の俳優の方々と大切に演じていこうと思いました。撮影は実際に原作に登場する高校を使わせていただいたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
山元監督は歳がものすごく離れているわけではなかったので、感性や笑いのポイントなどが近いなと感じられる部分も多く、共感し合いながら撮影を進めることができました。共演者のみなさんも本当に素敵な演技をされる方ばかりだったので、たくさん刺激をいただきました。映画がどのような仕上がりになっているか私自身とても楽しみです。