2025年F1第1戦オーストラリアGP 角田裕毅(レーシングブルズ)「正直、少しばかり驚いている。でも、彼らがどれくらいの燃料を積んでいるのかわからないから、正確な評価を下すのはまだ早い」
これは2025年F1第1戦オーストラリアGPの金曜日のフリー走行2回目が終了した直後に、マクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOがイギリスのスカイ・スポーツに対して語った言葉だった。
なぜなら、開幕戦の初日を終えて、2番手のオスカー・ピアストリ、3番手のランド・ノリスのマクラーレン勢に続いたのが、フェラーリへ移籍したルイス・ハミルトンでもなければ、前年王者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)でもなく、レーシングブルズの角田裕毅だったからだ。
驚いているのはブラウンだけではない。4番手となった角田自身も想定していたよりもよかったと語る。
「いまのところは、順位としては思っていたよりもいいですが、本当のポジションは土曜日になってみないとわかりません。どちらにしても、ミッドフィールドの戦いはかなりタイトになると思います」
なぜ、レーシングブルズはメルボルンでスピードを取り戻したのか。ローラン・メキース代表はこう説明した。
「我々はバーレーンのテストでは、長いシーズンを見越して、いろいろなパーツを試していた。今回のオーストラリアGPにもアップデートしたパーツは持ち込んでいない。ただ、バーレーンとメルボルンではコースがまったく異なるので、バーレーンで収集したデータを元にクルマのポテンシャルを最大限発揮できるパッケージを持ち込んだ」
角田もその事実を認めている。
「コースの特徴がバーレーンとメルボルンでは大きく違うので、ここに向けて何か新しいパーツを持ってきたということはありません。バーレーンでのテストでは他のチームとやっていることが違っていたと思います。もちろん、今日もチームによってやっていることは多少違うと思いますが、テストのときほど大きく違わないので、今日の結果はポジティブだと思います」
もうひとつ、レーシングブルズのテストでのベストタイムがそれほど目立たなかった理由があった。昨年、レースで何度か失速した反省から、今年はロングランを見直した。この日もニュータイヤを履いてピットアウトした後、いきなりロングランをしていた。これはニュータイヤでスタートして、そのままロングランをするレースを想定した訓練だった。
「もちろん、土曜日に向けて、ウイリアムズやアルピーヌが調子を上げてくると思います」と言うように、角田は初日4番手という結果に決して浮き足立ってはいない。ただし、「僕たちのクルマに乗っていて、バランスの問題をそこまで大きく感じなかったので、悪くない1日だったと思います」とも語っている。
予選でQ3進出する手応えはあるのか?
「なくはないですけど、まだ全然わからないので、気を引き締めていきたいなと思います」
開幕戦の初日4番手は、角田にとってF1にデビューした2021年バーレーンGPの初日7番手を上回る自己最高位となった角田の開幕戦での予選最高位は、昨年の11番手。この記録を上回ることを期待しているのは、筆者だけではないだろう。
[オートスポーツweb 2025年03月14日]