政府閉鎖、ぎりぎり回避へ＝１４日が期限―米

　【ワシントン時事】米上院は１４日、９月末までのつなぎ予算案を審議する。現行のつなぎ予算が同日深夜に失効するため、政府機関の一部閉鎖を回避するには新たな予算案が上院を通過し、トランプ大統領の署名により成立する必要がある。野党民主党の上院首脳は賛成票を投じる意向を示しており、閉鎖はぎりぎりで回避される可能性が高まった。

　与党共和党が僅差ながら過半数を占める下院は１１日、予算案を可決済み。ただ、上院（１００議席）では、議事妨害を阻止して予算案を採決するには６０票が必要だ。共和党の議席は５３にとどまり、民主党の賛成が不可欠となる。

　同党は、トランプ氏や「政府効率化省」を率いる実業家イーロン・マスク氏が進める政府職員の大量解雇に、反発を強めている。こうした中、同党上院トップのシューマー院内総務はいったん予算案の採決阻止を示唆したが、政府閉鎖が米社会や経済に及ぼす影響を考え、予算期限前日の１３日に土壇場で賛成に方針転換した。

　ただ、民主党内では「つなぎ予算案はマスク氏に連邦政府の大部分を解体する道具を与えるだけだ」（上院議員）との声が根強い。同党からは多数の反対票が出ると見込まれ、上院通過に十分な票が確保されるのか一抹の不安も残る。