
京都市北区上賀茂地域に伝承するカブの一種、すぐきの魅力を広めようと、京都先端科学大付属中2年の生徒2人が「すぐきっこ」として活動している。農家やパティシエ、福祉事業所の協力を得ながら、すぐき漬けの風味や食感を生かした菓子の試作を重ねており、3月に嵐電嵐山駅で販売する。
【写真】すぐきの知名度アップに取り組む藤井涼羽さんと倉田恵さん
藤井涼羽さん(14)と倉田恵さん(14)。藤井さんが、授業ですぐきの農園を訪れたのをきっかけに、生産の長い歴史や漬ける農家によって味の違いがあることに関心を持った。
一方、しば漬けや千枚漬けと並ぶ京都三大漬物でありながら知名度が低いと感じ、京の冬の味覚をもっと普及させたいと、活動に級友の倉田さんを誘った。昨夏、府内の小中学生が対象の起業アイデアコンテスト「Kyotoアントレプレナーチャレンジ」に採択された。
お菓子作りの軸は、幅広い世代が手に取りやすいこと。おかきやグミの試作では、すぐきの水分量に悩まされるなど失敗もあった。昨年12月の起業教育見本市では、プロのパティシエと刻んだすぐきを生地に練り込んだクッキーを商品化。意外な組み合わせが受けて50個以上を売り上げた。
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クッキーに加え新作のパイも売る予定の販売会では、2人の挑戦を知った社会福祉法人「てりてりかんぱにぃ」(下京区)が調理場の貸し出しで協力する。製菓担当の職員に味や包装材の助言をもらい、2人は商品の完成度を高めようと取り組んでいる。
他にも農家の元で袋詰めを手伝うなど、まさに「すぐき漬け」の日々だ。藤井さんと倉田さんは「体にいいことや食べ比べが楽しめることなど、1人でも多くの人にすぐきの良さを知ってほしい」と張り切っている。
観光客をターゲットにした嵐電嵐山駅(右京区)での対面販売は、3月15日午前11時〜午後3時。
(まいどなニュース/京都新聞)
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