みのもんたさんが店から“消した”商品「市場をいとも簡単に左右」“みの売れ”の実態

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2025年03月16日 11:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

みのもんたさん

 彼の言葉はある種の“魔法の言葉”だったのかもしれない。フリーアナウンサー・みのもんたさんが亡くなった。80歳だった。

『1週間で最も長時間、テレビの生番組に出演する司会者』としてギネスに認定された記録を作った番組の1つが、『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)。みのさんは1988年より同番組にコーナーレギュラーとして出演。翌年、2代目司会者に。以降、番組は長きにわたって続いた。

“みの売れ”の実情

 コーナーとして“生電話”の人生相談などが人気となったが、より広く世間に影響を及ぼしたといえるのが、番組でみのさんが軽妙な語り口で紹介する“健康のための食材”だった。

「番組を通して、“身体に良いこと・モノ”は大きなテーマでした。食材を取り上げる際は、みのさんが客席に対してパネルを出してクイズのように“この中でがんの予防になるのはどれ!?”“はい、手、あげて!”と。観覧に来た“お嬢さん”たちがうれしそうに手をあげて答えていましたね」(芸能ジャーナリスト)

 そんな場面が平日お昼の日常だった。

当時、メディアはテレビ一強。テレビというだけで影響力が強いのに、さらに主婦層から圧倒的な支持があるみのさんは、市場に対して、大きな力を持っていました。寒天やバナナがダイエットに、ココアが長寿に、プルーンが便秘に……と、それぞれ効果がありますとみのさんが番組で紹介することで、その日の夕方からスーパーではその食材を求める人が大勢来店。ネットでもないのに即時的な影響力を発揮していましたね」(飲食業界紙記者)

 美・健康・長寿への願いと、みのさんの口上が相まって、爆発的な売れ行きに。

「その食材を扱う業者が普段とは比べものにならない売れ行きや問い合わせでパンク状態になったり、スーパーなどでは棚から消える。仕入れたくても在庫がないといった状況も。悪く受け止めれば、市場をいとも簡単に左右できたともいえます。実際、“現場”は売れると同時に、苦労も多かったようで……」(同・飲食業界紙記者)

 “みの売れ”ともいえる異様な状況。当時を知るスーパー関係者は次のように話す。

昼に◯◯が取り上げられたと知ったら、ありったけの在庫をかき集めて、店頭に出す。売り切れたら、“なんでないの?”と文句を言われたり……。別のスーパーでは、放送される前に本部から事前に連絡が入り、いつもの何倍も仕入れたというところも聞きました。当時は迷惑に思いましたが、古い時代の話として悪くない思い出です

 主婦を中心にすさまじい影響力を及ぼしたあの声はもう、聞こえない─。

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