「ヤヌスの鏡は私の持ち込みだったのに!」伊藤かずえが明かしたドラマ初主演までの裏話

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2025年03月16日 11:10  web女性自身

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「少女漫画ファンで、2つの人格がある少女を描いた『ヤヌスの鏡』を読んだとき、大映テレビの名物プロデューサーの春日千春さんに『この役をやりたいです』と企画を持ち込んだんです。春日さんからは『いったん、預からせてくれ』と言われていたのですが、実際に主役を演じたのは杉浦幸ちゃんで……。それで“次はかずえで”と、春日さんがしてくれたのが『ポニーテールはふり向かない』でした」



と、出演経緯を振り返るのは、伊藤かずえさん(58)だ。児童劇団出身で、エキストラ出演も多く経験。同作品は“いつか主役をやりたい”という夢をえてくれたという。



「少年院出身の少女がドラマーとして腕を磨き、ロックバンドを結成する物語。ドラムは初めての経験。撮影に入る前に練習期間があったのですが、同時期に大映ドラマの『乳姉妹』(TBS系)の撮影がかぶっていたため、タイトなスケジュールでした。実際に音を出すわけではないのですが、シンバルの音のときにドラムをくわけにもいかないので、最低限の“あて振り”はできるようにならないといけませんでした」



格闘シーンでは、鉄でできたドラムスティックが武器だった。



「実際は、当たっても痛くないように、軽くて軟らかい木材を銀色に塗ったスティックを使用。私は振り回すだけなのに、殺陣師さんが派手にひっくり返ってくれるから、カッコよく見えたはずです」



大映ドラマならではのセリフや演出も印象に残っている。



「1週見逃しても人間関係がわかるように、説明セリフが多いのも特徴。“”といったふだん使わない言葉も多用しました。よく覚えているのが、朝起きて、亡き父のことを思って涙ながらに『頭のなか、スパゲッティになっちゃうよ』というセリフ。頭が混乱していることを伝える独特な比喩に大映ドラマらしさを感じました。『(ドラムを)手先だけで叩くな。手先だけで叩くのは、口先だけで生きていくのと同じだ。これからは怒りも悲しみもドラムに叩きつけて生きていくのさ』といった大仰なセリフも、いかにも大映ドラマです」



切れたギターの弦が両目に当たって失明する展開もあった。



「目に包帯を巻いた状態で、ドラムを叩きながらセリフも言わなければならないシーンには、苦労しました」



こんな大映ドラマのエッセンスがちりばめられた作品の数々が、?80年代のテレビを席巻したのだ。



『ポニーテールは振り向かない』(TBS系・1985〜1986年)


横須賀を舞台に、父子家庭で育ち傷害事件を起こして少年院に収監された麻生未記(伊藤かずえ)が、キーボードの田丸晃(松村雄基)や名倉邦男(鶴見辰吾)らとともにバンドを結成しデビューするまでを描いた。当時の大映スターが勢揃いした、まさに青春(ハートビート)!



【PROFILE】


いとう・かずえ


1966年生まれ、神奈川県出身。ドラマ『不良少女と呼ばれて』で大ブレイクし、『ポニーテールはふり向かない』で初主演。以降、数々の作品に出演。現在NHKラジオ『まんまる』に木曜パートナーとして出演中。YouTubeチャンネル「やっちゃえ伊藤かずえ」は登録者数7万人超。

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