マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第2戦アルゼンチンGP 3月16日、2025年MotoGP第2戦アルゼンチンGP MotoGPクラスの決勝レースがアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われ、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が勝利を飾った。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は8位でフィニッシュし、ポイントを獲得した。
初日からやや不安定な天候に見舞われている第2戦アルゼンチンGPは、いよいよ最終日を迎えた。曇り空の下で実施されたウォームアップ走行は、開幕戦に次ぐ2連続での完勝を狙うマルク・マルケスがトップタイムで終了。セッション終了後には、小椋を含め数名のライダーがフラッグ・トゥ・フラッグを想定したマシンの乗り換え練習を行う姿も見られた。
また、ウォームアップ走行でミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)の姿はなく、計21台の出走となった。土曜日に行われたスプリントでクラッシュを喫し、幸い骨折はないものの左肩の靱帯への懸念を考慮し欠場に。スプリントでオリベイラを追い抜こうとした際に接触し、クラッシュの起因となってしまったフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)は、決勝レース中においてロングラップペナルティが科されることとなった。
そして、今回ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)の代役として参戦していたテストライダーのロレンツォ・サバドーリも決勝レースを欠場することとなった。土曜日における予選Q1で転倒した際に左肩を負傷していたようで、ウォームアップ走行後に出場しないことを決めたとのこと。
■マルク・マルケスが兄弟対決を制し、2戦連続の完全勝利
25周で行われた決勝レースのタイヤ選択は、20台全車がフロントにミディアム、リヤは5台がソフト、他15台はミディアムと分かれた。そして、現地時間15時(日本時間3月17日3時)にスタート時刻を迎え、まずはマルク・マルケスがホールショットを奪う。
2番手にアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)、3番手にフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続く。すると、1コーナーでマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)がファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)と接触し、転倒を喫して早々に戦線離脱となった。
2周目に入ると、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)が一時3番手に姿を現すが、ここはバニャイアが阻止。さらに、4周目にはアレックス・マルケスが首位に、3番手にはフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)も浮上する。トップ2台がやや抜きん出る形となる一方で、後方はモルビデリを先頭に10番手までの8台が集団を形成していた。
その集団の中には、抜群のスタートで大幅に順位を上げることに成功していた小椋の姿もあり、6周目にはジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)を捉えて8番手に浮上した。10周目にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)に襲いかかるが、そう簡単に抜くことは許されず慎重にタイミングを伺う。
レース折り返しの12周目、トップは依然としてアレックス・マルケスが死守していたが、後方からはじわじわとマルク・マルケスが攻め寄り0.375秒差にまで迫っていた。トップ3台は等間隔にギャップはあるが、4番手のバニャイアと5番手のザルコとの差はほぼ無く接近戦が続く。
そして少し離れてブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)を先頭に4台による6番手争いが展開されていた。そのなかで小椋は、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)に一時先行を許し9番手へと後退したが、すぐに8番手を取り戻しバトルを繰り広げていた。
残り9周、トップ2台のマルケス兄弟対決はさらに接近戦へと転じる。8周目には兄のマルク・マルケスが一時トップへ姿を見せるかと思われたが、クロスラインで弟のアレックス・マルケスが死守し、再びややリードを広げていく。ただ、マルク・マルケスも20周目で1分38秒243というファステストを叩き出して弟を追撃し、もう一度オーバーテイクを試みる。
すると、残り5周で動きが出た。マルク・マルケスが追跡劇の末にようやく仕掛けることに成功し、5コーナーで一気に前へ出てトップを奪い返しラストスパートに向けてペースアップ。アレックス・マルケスは付いていくことができず、ギャップは1秒以上に広がり兄の背中が遠ざかっていく。
またその後方、3番手のモルビデリの後ろにはバニャイアが0.5秒ほどに迫っていたが、ここはモルビデリが守り切りファイナルラップへと突入する。さらに5番手のザルコにもディ・ジャンアントニオが迫っており、最終ラップでオーバーテイクを許してしまった。
そして、25周のレースは終盤に鮮やかに弟をパスしたマルク・マルケスがトップでチェッカーを受け、開幕戦に次ぐ2戦連続の完勝を収め、ドゥカティの連続勝利数を19へと伸ばした。2位にはアレックス・マルケスが続き、MotoGPクラス自身初優勝はお預けに。3位はモルビデリが入り、久しぶりの表彰台を獲得。
4位はバニャイア、5位は最終ラップで順位を上げることに成功したもディ・ジャンアントニオ、6位はホンダ最上位となるザルコが続いた。7位はビンダー、小椋は8位に入り、決勝レースにおいて2戦連続でのポイントをゲット。9位はアコスタ、10位はミルという結果となった。
次戦となる第3戦アメリカズGPは、2週間後の3月28〜30日にサーキット・オブ・ジ・アメリカにて開催される。
[オートスポーツweb 2025年03月17日]