画像提供:マイナビニュースLIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は2025年3月12日 、4月の「65歳までの雇用確保の義務化」を前に、「高齢者の就労と住まい探しの実態調査」の結果を発表した。同調査は2025年2月27日 ~ 2025年3月4日、59歳まで会社員であった60~65歳の1,592名を対象にインターネットで実施した。
「雇用」と切っても切れない関係の「住まい」。高齢者は住宅の賃貸契約を断られやすい“住宅弱者”と言われている。雇用機会の拡大と住まいの選択肢の拡大は両輪で進められるべき課題。そこで、59歳まで会社員であった60~65歳の人々にアンケートを実施し、就労や住まい探しの実態を調査した。
60歳になった時の就労状況について聞いたところ、78.6%が「以前と同じ会社で勤務」と回答した。そのあとには、「別会社に転職」(12.9%)、「リタイア・専業主婦(主夫)」(5.5%)が続いている。
続いて、60歳になった時の就労状況で「以前と同じ会社で勤務」または「別の会社に転職」と回答した人に対し、その際の雇用形態について聞いたところ、「正社員」が53.4%、続いて「嘱託・契約社員」(42.5%)となった。
60歳の時の収入が59歳の時と比べてどの程度であったかを聞いたところ、最も多かったのが「50%以上75%未満」(27.0%)、続いて「75%以上100%未満」(26.7%)、「100%以上125%未満」(24.5%)となった。
収入を伸ばした人もいる一方で、過半数の73.9%は収入が下がったと回答した。また、高年齢雇用継続給付の対象となり得る75%未満の人は約半数の47.2%となった。
60歳時の収入について「納得がいった」(「大いに納得がいった」「やや納得がいった」計)と回答したのは25.9%。反対に「納得がいかなかった」(「大いに納得がいかなかった」「やや納得がいかなかった」計)は43.3%となり、収入の下落について想定以上であった人が多いことがうかがえる。
賃貸物件に住んでいる場合、収入が減ってしまったら引越しを検討しなければならないことも出てくるかと思う。そこで、60歳以降に賃貸物件を探した経験のある人に契約までの期間を聞いたところ、56.4%が「1か月未満」と回答した一方で、「1年以上」と回答した人も15.8%に上った。
以前LIFULLが実施した調査(※1)では、一般層のうち物件契約までに「1年以上」かかった割合は2.8%となっており、高齢者の住まい探しは一般層と比較すると難しいことがうかがえる。
※1:住宅弱者の「住まい探し」に関する実態調査
60歳以降に賃貸物件を探した経験のある人に対し、高齢であることを理由に不平等を感じた経験があったかどうかを聞いたところ、37.1%が「あった」と回答した。
具体的な内容としては「候補となる物件が少なかった」(64.0%)がダントツで多く、「保証人の追加や過剰にお金の請求を受けた」(16.0%)、「プライバシーに関わる内容など過剰に質問や調査をされた」(14.7%)が続いた。(花音)