
千葉県知事選が3月16日に投開票されて現職の熊谷俊人氏が再選したが、今回の知事選は“大荒れ”の選挙戦となった。
兵庫や大阪で街頭演説
今回の選挙に立候補したのは、自民党や立憲民主党など与野党5党の県組織が支持して当選した熊谷氏のほかに、共産党推薦のジャーナリスト小倉正行氏と、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦氏の4人だ。
そのなかの一人である立花氏は千葉県知事を争う選挙戦にもかかわらず、千葉から500キロも離れた神戸や大阪でも街頭演説を行い、千葉や兵庫の選挙管理委員会に批判が相次いだり、千葉県以外での街頭では「なんでここで演説してるんだ」「帰れ」などのヤジが飛び交うなど、現場は騒然とした雰囲気になった。
「神戸での立花さんの演説のあとに、立花さんと同じく千葉県知事に立候補した『つばさの党』の黒川敦彦さんが現れて演説するなど、異例づくめでした。立花さんは前回の兵庫県知事選に立候補して斎藤元彦知事の再選をアシストしたので、今回の神戸での演説もSNS上で話題に。
その意味では狙いどおりだったのでしょうし、選挙区外での街頭演説を規制する文言も法律にはありませんが、公選法の見直しが必要だと感じた人は多かったと思います」(全国紙政治部記者)
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立花氏は、投票2日前の14日、東京の経済産業省前で男にナタで襲われて全治1か月の重傷を負い、16日に自身のYouTubeチャンネルで耳の後ろの傷痕を公開したが、「本番はあくまで7月の参議院選挙」という発言にネット上は大荒れ。
《千葉県民です。千葉のことを本気で考えてないなら選挙に出ないでください》
《千葉県政について議論すべきところを、他府県の話を議論したりと、本来の選挙のありかたを逸脱している》
《県民です 千葉県をなめないでください》
千葉県民が立花氏の姿勢を疑問視するなか、弁護士の紀藤正樹氏が17日、SNSに以下の一文をアップした。
《投票率が低すぎ。立花、黒川氏の立候補に千葉県民が白けた結果です》
投票率が低いという指摘に県民からはこんなコメントが。
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《これで選べって酷なことを要求されてるのよ、千葉県民は》
《誰に投票しろっていうのさ》
《いやいや、さすがにどう見ても誰が当選するかわかっていたから行かなかったのよ》
投票率は県選管によると31.93%。たしかに4年前の前回を7.06ポイントと大きく下回ったが、投票に行くモチベーション上がらなかった人も少なくなかったのだろう。
立花氏はさらに、県知事選の選挙期間中に放送されたTBS系『報道特集』の内容が中立性を欠いていたとして「TBSに落選運動をされた」と主張もしている。大荒れの知事選だったが、選挙が終わっても余波はまだ収まりそうもない。