アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第2戦アルゼンチンGP 3月16日、2025年MotoGP第2戦アルゼンチンGP MotoGPクラスの決勝レースがアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのアレックス・リンスは11位、ファビオ・クアルタラロは14位となった。
第2戦アルゼンチンGPは最終日を迎え、決勝レースに先駆けて朝にはウォームアアップ走行が実施された。前日の予選とスプリントを終えた後にクアルタラロは「午前中のウォームアップ走行でミディアムコンパウンドのタイヤを試してみる予定だ」と明言しており、予定通り前後ともにミディアムタイヤで走行を実施。クアルタラロが10番手、リンスが16番手で終え決勝に向けてタイヤの感触を確かめるとともに最終調整を行った。
連日不安定な天候に見舞われていたが、最終日は曇り空となったものの雨が降ることもなく25周の決勝レースは気温27度、路面温度35度のドライコンディションで始まった。タイヤ選択としては全車がフロントにミディアムを装着していたが、リヤはミディアムとソフトで分かれた。ヤマハでもクアルタラロはミディアム、リンスはソフトと戦略を分けてレースへと臨んだ。
オープニングラップでは、7番手スタートのクアルタラロが好スタートを決めるも、1コーナーへ入る際にマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)に接触。幸い転倒には至らなかったが、19番手まで後退することとなった。一方のリンスは、12番手から慎重にポジションをキープしたままスタートさせた。
クアルタラロは早々に順位を挽回していき、5周目には16番手に浮上。さらにリンスも、フェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)のロングラップペナルティ消化に伴い11番手に順位を上げたが、11周目にはルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)に先行を許し再び12番手へと順位を戻すこととなった。
レースは中盤戦から終盤戦に突入する頃、懸命な追い上げを見せていたクアルタラロが18ラップ目に15番手まで順位を回復させることに成功していた。少し前を走るリンスは単独走行となり、タイヤの温存に注意を払いながら安定した走りを継続させつつポジションを維持させていた。
その後は互いに順位の変動はなく、リンスがトップから21.663秒差の12位で初のポイントを獲得。クアルタラロは、怒涛の追い上げによりトップから25.148秒差の15位でなんとか1ポイントを獲得してみせた。ただ、レース後にルーキーである小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)の失格が判明したことから、リンスは11位、クアルタラロは14位へと繰り上がりとなった。
また、ヤマハ陣営としてはサテライトチームのプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのミゲール・オリベイラがスプリントでの転倒による負傷で決勝レースを欠場。チームメイトのジャック・ミラーは14位でフィニッシュし、13位へ繰り上がりポイントを獲得しており、決勝レースに出走した3台すべてがポイントを獲得した。
2025年シーズンは2戦を終え、少しずつではあるものの結果に結びついてきており、ヤマハ陣営の進歩がうかがえる。リンスも今季初のポイント獲得 、クアルタラロもアクシデントを跳ね除け入賞圏内まで自力で追い上げできたことはモチベーションアップに繋がることだろう。2週間後の3月28〜30日にサーキット・オブ・ジ・アメリカにて開催される第3戦アメリカズGPでは、どのような戦いぶりを発揮するだろうか。
アレックス・リンス(決勝:11位)
「今日は厳しいレースだった。リヤをソフトタイヤで走る決断をしたのは僕自身だ。昨日、スプリント後に全てのデータがレースにはミディアムのリアタイヤが適していることを示していたけど、今朝のウォームアップで試してみたところ、感触が良くなく、ソフトを選ぶことに決めた」「実際、ソフトでレースを最後まで管理するのはかなり難しかった。タイヤの寿命を管理するために非常に慎重に走らなければならなかった。YZR-M1のフロントは非常に良い感触だけど、他の部分で改善が必要なところがあるよ」
ファビオ・クアルタラロ(決勝:14位)
「今日について何も言うことはない。最初のコーナーでベゼッチと接触したのは不運だった。僕は外に膨らんで最後尾になった、それに今週末を通してレースペースもあまり良くなかった。もしかしたら、もう少し上のポジションにいられたかもしれないけれど、こんなスタートではほとんどでポジションを保ったままレースが進んでしまう。全体的に本当に厳しい週末だった。次戦ではもう少し良い結果が出せるか試したいね」
[オートスポーツweb 2025年03月18日]