親族供述の信用性巡り質疑 菊池事件再審請求 心理学者の証人尋問
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2025年03月18日 19:18 毎日新聞

証人尋問後、記者会見を開いた弁護団ら=熊本市中央区で、2025年3月18日午後4時32分、野呂賢治撮影 1952年に熊本県で起きた殺人事件で、ハンセン病とされた男性が無実を訴えたまま隔離施設内の「特別法廷」で裁かれて死刑になった「菊池事件」の再審請求を巡り、熊本地裁で18日、弁護側が求めた供述心理学者、大倉得史・京都大大学院教授(供述心理学)への証人尋問が非公開であった。
終了後、記者会見を開いた大倉氏ら弁護団によると、有罪の柱とされた親族供述の信用性について質疑が繰り広げられたという。大倉氏は親族6人の供述について、「親族の供述調書はかなり強引に作られた取調官による作文」と批判。必要のないうそを述べている点や不自然に変遷している点などを指摘した。
共同代表の徳田靖之弁護士は「前回証人尋問した凶器の鑑定に加え、今回の親族供述の信用性を否定したことで、有罪の柱となった2本とも折ることができた。やれることはやった」と述べた。
次回期日は7月7日。弁護団が主張する憲法違反の裁判手続きは再審開始の理由になるという「憲法的再審事由」や実体的な再審事由について改めて主張する見込み。【野呂賢治】
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