サッカー日本代表は何位? チャンピオンズリーグ16強出場選手数で見る国別ランキング

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2025年03月19日 07:20  webスポルティーバ

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 森保一日本代表監督は、1年3カ月後に迫った2026年W杯の目標を「ベスト8以上」に据えている。それが叶うか否かは、森保監督の采配と選手の力量のバランスが高次元で取れている必要がある。そんななか、これまで厳しい目も森保采配に向けられることが多かったが、果たして選手の力量はどうなのか。

 およそ100人に膨れ上がった欧州組。今季のチャンピオンズリーグで(CL)本大会の舞台に立った選手も、過去最多の11人を数えた。選手の力量の右肩上がりを示す、何よりの根拠と言いたくなるが、比較対象を日本の過去に求めても、ベスト8以上の可能性を推し量ることはできない。比較対象を求める先は、日本と同じようにベスト8以上を狙う、ライバルとなりそうな国々でなくてはならない。

 CLが決勝トーナメントを迎えたいま、タイムリーなのは、その16強に進出したクラブに所属し、今季ここまで実際にプレーした選手の国別の数を比較することではないかと考え、調べてみた(一覧は後述)。

 1位はスペインの44人、2位はイングランド43人......上位に強豪国の名前が並ぶなかで、日本は伊藤洋輝(バイエルン)、遠藤航(リバプール)、上田綺世(フェイエノールト)の3人となる。この数は世界ランクではどれほどになるか。

 23位タイだ。3人は日本(FIFAランキング15位、以下同)、デンマーク(21位)、韓国(23位)、エクアドル(24位)、ギリシャ(39位)、ナイジェリア(44位)の6チームが並ぶ。

 韓国はキム・ミンジェ(バイエルン)、イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン/PSG)、ファン・インボム(フェイエノールト)の3人だ。3人の出場時間を合計すれば1947分となる(出場時間にアディショナルタイムは含まず)。日本人3人の合計時間がわずか534分なので、その差は一目瞭然。ベスト8に進んだ人数を比べても1対2で日本は韓国に遅れを取る。

 だが、ウイリアム・パチョ(PSG)、ピエロ・インカピエ(レバークーゼン)、ジョエル・オルドニェス(クラブ・ブルージュ)のエクアドルは2885分で、日韓のはるか先を行く。

【CLの舞台で活躍する中堅国の選手たち】

 エクアドルは前回のカタールW杯のグループリーグでオランダ、セネガルの後塵を拝して3位だった。しかし、長い目で見れば顕著な右肩上がりを示す国だ。南米のなかで最も勢いのあるチームと言って間違いない。

 かつては欧州で活躍するエクアドル代表と言えば、ウエストハムなどでプレーしたエネル・バレンシアぐらいしか名前が出てこなかったが、現在は上記の3人以外にも、ペルビス・エストゥピニャン(ブライトン)、モイセス・カイセド(チェルシー)など、欧州の著名クラブでプレーする選手が存在する。日本にも久保建英、三笘薫などCLの土を踏んでいない実力者はいるが、顔ぶれ的にはエクアドルのほうが豪華な気がしてならない。

 ギリシャは、コスタス・ツィミカス(リバプール)、ヴァンゲリス・パヴリディス(ベンフィカ)、クリストス・ツォリス(クラブ・ブルージュ)の3人で、合計出場時間は2289分になる。

 ナイジェリアは、ラファエル・オニェディカ(クラブ・ブルージュ)、ビクター・ボニフェイス、ネイサン・テラ(レバークーゼン)で2106分だ。

 そしてデンマークは、アレクサンダー・バー(ベンフィカ)、カスパー・ニールセン(クラブ・ブルージュ)、アンドレアス・スコフ・オルセン(クラブ・ブルージュ→ヴォルフスブルク)の3人で1011分となる。

 つまり、出場時間を加味して順位づけをすれば、23位タイの内訳はエクアドル>ギリシャ>ナイジェリア>韓国>デンマーク>日本となる。日本は実質28位というわけだ。W杯でベスト8以上を狙うと言うのであれば、楽観はできなくなる。現実を突きつけられた格好である。

 選手の力量という意味で、とても楽観できないライバル国はまだある。

 日本のひとつ下、出場選手2人で29位タイを形成するのはコロンビア(12位)、メキシコ(19位)、カナダ(31位)、チェコ(42位)、スコットランド(45位)、ブルキナファソ(66位)、ガーナ(77位)、ギニア(78位)の8カ国だ。

【意外に少ないメキシコ。コロンビア】

 コロンビア、メキシコといえばW杯常連の中堅あるいは上位国だが、人数はその割に少ない。

 メキシコはサンティアゴ・ヒメネス(フェイエノールト→ミラン)という大エースの存在が目につく。フェイエノールト時代は上田綺世との力量差をまざまざと見せつけた。他にもエドソン・アルバレス(ウエストハム)、ラウール・ヒメネス(フラム)など、CLのステージに立っていない有力選手はいるが、自国リーグが盛況のためか欧州組の絶対数が足りない印象だ。

 コロンビアは人数的にはブラジル(21人)、アルゼンチン(16人)、ウルグアイ(4人)、エクアドル(3人)に次ぐ、南米勢では5番手となる。リバプールにおいてレギュラー格でプレーするルイス・ディアスの存在が目立つので、国として勢いがあるような印象を受けるが、人数でも名前でもエクアドルに先着を許している。

 そして日本の組のひとつ上、18位タイを形成するCL16強4人のグループは、ウルグアイ(11位)、クロアチア(13位)、ウクライナ(25位)、スウェーデン(27位)、アルジェリア(37位)の5カ国だ。

 ウルグアイの4人はフェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)、ホセマリア・ヒメネス(アトレティコ・マドリード)、ダルウィン・ヌニェス(リバプール)、ファクンド・ゴンサレス(フェイエノールト)。ゴンサレス以外は世界的にも有名選手だが、11位というFIFAランキングの割には少なめだ。

 クロアチアはルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)、イヴァン・ペリシッチ(PSV)、ヨシプ・スタニシッチ(バイエルン)、ルカ・イヴァンシッツ(フェイエノールト)となる。超ベテランのふたりに続く選手が目白押しとは言い難い。右肩上がりではないと見る。ちなみにスタニシッチは、バイエルンで伊藤とポジションがかぶる選手でもある。

 ウクライナはオレクサンドル・ジンチェンコ(アーセナル)、アントリン・トルビン(ベンフィカ)、アンドリー・ルニン(レアル・マドリード)、アルテム・ステパノフ(レバークーゼン)の4人。トルビンとルニンはGKで、ステパノフは17歳の若手有望株である。

【あなどれない北欧、アフリカ勢】

 スウェーデンはグスタフ・ニルソン(クラブ・ブルージュ)、ダニエル・スベンソン(ドルトムント)、ガブリエル・グドムンドソン(リール)、サミュエル・ダール(ベンフィカ)の4人。

 もちろんこのなかに、プレーオフでドルトムント敗れたスポルティングの大エース、ヴィクトル・ギェケレシュは含まれていない。そのドルトムント戦は、ギェケレシュを故障で欠いていなければ、結果はどうなっていたかわからなかった。スウェーデンにはもうひとり、アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)という大物FWもいる。FWに関して言えば、欧州でもトップクラス。日本としてはあまり戦いたくない相手だ。

 そしてアルジェリアはラミ・ベンセバイニ(ドルトムント)、アイサ・マンディ(リール)、アニス・ハジムーサ、ラミス・ゼルキ(ともにフェイエノールト)の4人である。

 アルジェリアで想起するのは2014年ブラジルW杯の決勝トーナメント1回戦だ。優勝したドイツに延長で惜敗する姿は、まさに美しい敗戦だった。その後の2大会(ロシアW杯、カタールW杯)は予選落ちしているが、今回の調査では、アフリカ勢としては隣国モロッコ(5人)に次ぐ2番手につける。アフリカ予選でもグループリーグで首位に立つ。前回はモロッコがベスト4入りした。勢いを感じるアルジェリアにも目を凝らしたい。

 いずれにせよこれら「強豪国」とは見られていないライバルたちが、W杯本大会で日本の前に立ちふさがる可能性は十分にあるのだ。

【CL16強進出クラブで出場した選手の国別ランキング】

        出場選手数 うち自国以外のクラブ所属選手
1スペイン    44      11
2イングランド   43      17
3フランス    40      24
4オランダ    39      13
5ドイツ     32      6
6ブラジル    21      21
7ベルギー    18      9
8アルゼンチン  16      16
9ポルトガル   15      9 
10イタリア    13      5

以下
ノルウェー   8
スイス、ポーランド、アメリカ   6
オーストリア、トルコ、モロッコ   5
スウェーデン、クロアチア、ウクライナ、アルジェリア、ウルグアイ   4
デンマーク、ギリシャ、ナイジェリア、エクアドル、日本、韓国   3
チェコ、スコットランド、モロッコ、ギニア、ブルキナファソ、ガーナ、メキシコ、カナダ   2
アイルランド、アイスランド、フィンランド、ルクセンブルク、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、アルメニア、セルビア、コソボ、アルバニア、ロシア、ジョージア、エジプト、コンゴ、モザンビーク、ジャマイカ、コスタリカ、イラン   1

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