
【写真】「二人セゾン」「コンセントレーション」こだわりのセットリストでパフォーマンス 小池美波の美しいドレス姿も
「Overture」に続いてステージに登場した小池は深々と一礼すると、メンバーとともに自身のセンター曲「ソニア」からライブをスタートさせる。小池らしい繊細さとダイナミックさ、美しさが混在するパフォーマンスで観る者を魅了すると、続く「僕たちのLa vie en rose」では小池と井上梨名、武元唯衣、田村保乃、藤吉夏鈴、松田里奈、森田ひかる、山崎天という“一期生と二期生”という布陣で多幸感いっぱいの歌とダンスを届けた。
最初のMCでは小池が「(卒業セレモニーが)始まっちゃったら寂しいというのはあるんですけど、『僕たちのLa vie en rose』はレコーディングには参加していたもののパフォーマンスはこれが初めてだったので、披露できてうれしかったです!」と、一時休養に入っていたからこその喜びを口にする一幕も。石森璃花や遠藤光莉も小池とともに、最後に「ソニア」をパフォーマンスできた喜びを口にする。その後は小池と三期生による「本質的なこと」からライブは再開。この曲ではオリジナルセンターの遠藤理子と小池のダブルセンターで披露されるという特別な演出が用意されたが、2人の関係性を知るファンにはたまらないものがあっただろう。
また、小池と二期生による「コンビナート」では会場の空気も一変し、一気に熱が高まっていく。さらに、スクリーンに欅坂46時代のに収録されたであろう小池の映像が映されると、その流れから欅坂46の楽曲「コンセントレーション」が始まる。同曲を歌唱するオリジナルメンバーは小池と山崎の2人になってしまったが、2人は当時よりも成長した姿でこの楽曲を堂々と披露してみせた。
メンバー所有の秘蔵写真とともに小池との思い出を語っていくMCパートに続いては、「桜月」で場の空気を一変させる。出会いと別れの季節が描かれた歌詞は、今の小池とメンバーとの関係とも重なるところがあり、可憐さ極まる歌とダンスがエモーショナルさを強調することに。その流れから欅坂46の楽曲「二人セゾン」が始まると、客席からは歓喜の声が湧き起こる。小池をセンターに据え、二期生たちが周りを固めるこの編成は最初で最後。中盤での小池のソロダンス含む渾身のパフォーマンスに対して、オーディエンスはありったけの大きな声でエールを送り続けた。
|
|
そんなしんみりした空気を切り裂くように、小池の「Buddies、最後に私に声聞かせろ!」の煽りから「何歳の頃に戻りたいのか?」に突入すると、客席の熱気は急加速。山崎と小池のダブルセンターという特別編成で、迫力が増したパフォーマンスを交えながら盛り上がりをピークにまで引き上げてライブ本編は終了した。
■「長いようで一瞬の10年」
客席が小池のペンライトカラーである白&桜ピンクで染まり、盛大な「みいちゃん」コールでアンコールを待っていると、スクリーンに欅坂46時代から今日までの思い出の映像が上映される。続いて、純白のドレスとキラキラしたティアラやアクセサリーを身に付けた小池が登場すると、客席からは温かな拍手が送られ、思いの込められた手紙を読み上げていく。
欅坂46で約5年、櫻坂46で約5年と2つのグループを同じ期間過ごしてきた小池。欅坂46時代は「自分がグループのためにできることをひたすら探していたけど、少しずつ楽曲を自分の中に落とし込めるようになったタイミングで改名する運びになってしまいました。そのときは自分にもっと力があればと感じたり、私たちには背負えなかったんだと、ただただ悔しかったことを覚えています」という。そして、櫻坂46に改名してからは「欅坂46と比較されてしまうことも多く、当時の楽曲を求められることも多く、なかなか櫻坂46ひとつで戦えない時間が続き、いばらの道とはまさしくこのことだなと痛感する日々でした」と、最初は葛藤したことを吐露。それでも、「どんな瞬間でも一番自分に素直でいられて、心から大好きだと感じた場所はこのライブのステージ」だったと告げ、「ここは皆さんと気持ちを共有できる場所で、そのたびにいろんな感情に出会うことができた」とBuddiesに感謝を伝える。
また、「私は学生の頃、自分の気持ちを伝えたり嫌なことを言葉にするのがすごく苦手で。自分のささいな感情にも気づかず、目を伏せて生きてきました。でも、この10年はそんな私はすべて変えてくれました。素直に生きていていいんだ、正直でいていいんだと、活動していて楽曲とともに生きていてそう感じるようになりました」と自身の成長についても触れる。
|
|
さらに、振付師のTAKAHIROには「期の頃、歌番組の生放送にいろんな気持ちでぐちゃぐちゃになっていたとき、『小池は欅の木の幹なんだよ』と言ってくださって、『サイレントマジョリティー』の振り付けに欅の幹を作っていただきました。その言葉をきっかけに、自分はグループの幹のような存在でありたいと活動するようになりました」「自信のなかった私に『ライバルは昨日の自分だ』と言ってくださってありがとうございました。この10年の座右の銘でした」と感謝を伝えた。
Buddiesには「皆さんの存在が心の支えでした。どんなときでも肯定してくださり、いろんな形で愛を伝えてくださって、何度も皆さんの言葉に救われていました。こんなにも不器用な私を応援してくださって、改めて感謝しています」と愛を送り、最後に「櫻坂46はいい意味で頂点のないグループだなと感じています。メンバーみんなには自分を抑えずに、好きなようにこれからも活動してほしいです。Buddiesの皆さんには櫻坂46の今を、これからも見届けていただきたいと思います。これからの櫻坂46もよろしくお願いいたします」と述べてスピーチを終えた。
続く二期生との和やかなトークを経て、「私にとって最後のユニット曲。2人と大切に歌いたいと思います」の言葉のあとに11thシングルに収録された「行かないで」がスタート。小池を中心に、遠藤理子と小島凪紗が美しくも切ない世界観を作り上げていく。曲中のセリフパートでは、小池が「ごめんね、寂しくさせて… でも、ずっと、皆さんのこと忘れないからね」とこの日ならではのメッセージに変えて届ける場面も。「二人セゾン」のソロダンスを彷彿とさせるパートもあり、この楽曲は本日この場で完成を迎えて締め括った。
ステージ上にメンバーが勢揃いすると、小池は「本当にあっという間で、今さら寂しくなってきて」と本音をこぼす。その後、山下瞳月や田村保乃が小池との思い出を口にすると、遠藤理子は「本当に『行かないで』って気持ちが溢れてしまって、直前まで泣いてしまった。最後にみいさんのユニットに参加できてすごく幸せですし、最後までみいさんのことを感じながらパフォーマンスできたことがすごく楽しかったです」と瞳を潤ませながら語った。
|
|
メンバー全員でお辞儀をすると小池は「皆さんのおかげで本当に幸せでした。ありがとうね」と口にし、最後の最後に「これからもずっと幸せでいてくださいね」とファンに伝えてステージを降りた。
■セットリスト
Overture
01. ソニア
02. 僕たちのLa vie en rose
03. 本質的なこと
04. コンビナート
05. コンセントレーション
06. 桜月
07. 二人セゾン
08. 何歳の頃に戻りたいのか?
<アンコール>
EN1. 行かないで
EN2. 櫻坂の詩