宇宙食に近江牛が登場するか 滋賀県の企業、宇宙産業に参入目指す動き続々 有名大学も後押し

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2025年03月23日 16:10  まいどなニュース

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近江牛が宇宙食に…!?

 滋賀県内で、宇宙に関する産官学の動きが活発化している。立命館大びわこ・くさつキャンパス(草津市)には宇宙地球探査研究センター(ESEC)が誕生し、企業は拡大が見込まれる宇宙産業市場への参入を目指す。県も宇宙をテーマにしたセミナーの開催を出発点に、推進に向けた仕組みづくりを模索し始めた。

【写真】月球儀と月探査機に搭載されたカメラの技術モデル

 「しがから“宇宙(そら)”に!」。2月、一見奇抜なタイトルのセミナーが県庁隣の県危機管理センターで開かれた。宇宙と滋賀の関わりを広げる第一歩として、2023年開設のESECと県が共催し、ものづくり企業や大学関係者ら約100人が会場を埋めた。

 セミナーでESECの小林泰三副センター長は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業に採択された同大学のテーマなどを紹介。月での「その場探査」に向け、現場環境を再現する設備などの整備や、探査・調査技術の開発を進め、研究開発ネットワークを構築するとした。

 宇宙産業の市場規模は、40年までにグローバルで140兆円に拡大するとの予測もある。県はこの分野に関心を寄せ、地元企業の高度なものづくりニーズに応えるため、県内の工業技術センターで評価分析装置の拡充を図るほか「関心のある企業に呼びかけ、研究会のような仕組みづくりにも取り組みたい」(イノベーション推進課)とする。

 ESECも県内企業に宇宙分野への参入を呼びかける。佐伯和人センター長は「企業に開発アイデアや試験設備を提供するハブとなる構想もスタートしており、『宇宙に最も近い立地条件』として地元企業に活用してほしい」と訴える。

 すでに動き出した企業も。電子部品メーカーの湖北工業(長浜市)は、通信用の光部品で衛星通信市場への参入を目指す。セミナーに登壇した加藤隆司常務執行役員は、信頼性が求められる海底ケーブル向けで培った高い品質を可能にする生産体制などを紹介し、一部製品について宇宙での使用に向け試験を実施していると明かした。

 和食チェーンを展開するサガミホールディングスは“宇宙日本食”として、県内企業との連携で近江牛メニューの開発を進める。国際宇宙ステーション(ISS)で提供された「名古屋コーチン味噌(みそ)煮」に続く第2弾といい、担当者は「喜んでもらえるものを作りたい」と意気込む。宇宙飛行士が近江牛を堪能する日は遠くないかもしれない。

(まいどなニュース/京都新聞)

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