
春が近づいてきました。寒さが和らぎ、衣服を新調したくなる季節です。
どうせ購入するなら、飽きずに長く愛用できるウェアを手に入れたいところです。そこで今回は老若男女を問わず人気な「パーカー」に焦点を当てて、定番モデルと言えるチャンピオン(Champion)の「リバースウィーブ」の主要3モデルを、前・後編に分けて実物レビュー。その魅力と、おすすめの着こなし方をご紹介します。
●「キング・オブ・スウェット」の異名を取る名品
リバースウィーブは、米国のスポーツウェアメーカー・チャンピオンが、1934年からスウェット製品に採用している衣類製法です。
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ニットやスウェットでは、通常は生地の編み方向は、製品の縦方向となります。リバースウィーブでは、ボディ部の編み目を横方向に配置。衣類乾燥機の使用時に発生していた縦方向の縮みを大幅に低減することが可能となりました。
さらに、両脇部分には「エクスパンションガゼット」と呼ばれる、編み目が縦方向のリブパーツを配置。横方向の縮み低減と、運動性の向上にも配慮されています。動きやすく、耐久性が高いという、スポーツウェアとして理想的な特徴を備えたリバースウィーブ。現在でも定番アイテムとして、不動の人気を誇っています。
歴史的には数多のバージョンがあるリバースウィーブですが、現行モデルは生地の種類や製造国により、大まかに3つの系統に分けられます。1つめが通称「赤タグ」と呼ばれる、重厚な12.5oz(オンス)の裏起毛生地を用いた米国製ライン。次に1970年代の通称「青タグ」と呼ばれる、11.5ozの裏起毛生地を用いたライン。そして赤&青字の3色タグが目印の、裏毛(裏パイル)生地を用いたラインです。
以下では、最もタフで重厚な着心地が特徴の、通称「赤タグ」の1枚を実物レビューします。
●1枚でサマになる格好良さ
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まず、リバースウィーブの赤タグシリーズの概略をチェックしましょう。本シリーズは、リバースウィーブのレギュラーモデルでは最高峰の本格派ラインです。素材には厚手で保温性に優れた、12.5ozの裏起毛生地を採用。縫製も含めて米国製となり、首元のタグに「Made in USA」の刻印が配されています。
サイズ感はモデルによっても異なりますが、全般的に着丈に対して袖丈が長めです。欧米人向けを意識した設計となっているのでしょう。表地は肉厚で、ザラリとした触感。ざっくりとした生地感と、リバースウィーブ独自の編み方向とが組み合わされることで、他社のスウェット製品には見られない、独特な風合いが生み出されています。
実際に着用すると、肉厚な生地による、重厚感のある着心地が特徴です。筆者は通常はSサイズをセレクトするのですが、今回はLサイズを選択。生地にハリがあるため、オーバーサイズな着こなしでも“だらしない雰囲気”にならない点が魅力です。
パーカー製品について言えば、フードの造形の格好良さも、赤タグシリーズの魅力でしょう。生地にハリがあるので、着用時にフードにボリューム感が生まれます。フードの形状は「パーカーの命」と言って差し支えない部分。ボリューム感にこだわりたい方には、赤タグモデルが第一の選択肢となるでしょう。
●古き良きスポーツウェアの良さ
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この記事では、チャンピオンのリバースウィーブの現行モデルの概略と、米国製ラインの赤タグモデルを実物レビューしました。昔ながらのスポーツウェアらしさに溢れ、防寒性にも優れた裏起毛生地。オーバーサイズな着こなしに合う生地のハリ感と、フードの造形の良さが魅力の逸品でした。
後編記事では、引き続き「青タグ」と「3色タグ」(裏パイル生地)のモデルを実物レビューします。